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2022/05/01

2022年5月 価格破壊?!タナゴ用自作仕掛けの刷新

今回は今まで使っていたタナゴ仕掛け(実際は小物釣り汎用で使っていますが…)を若干刷新して、より経済的かつ軽い仕掛けにしてみたので、その製作法と考えについて書いてみたいと思います


今回新しくした仕掛け

わかる人には一目で材料なども分かると思いますが、軽量で廉価、かつしっかり釣れる仕掛けが作れました

タナゴ仕掛けといえば、斜め通しウキを利用した連動シモリ仕掛けが最近の流行で、釣具屋やネットでも様々に趣向を凝らした仕掛けが販売されています

タナゴ釣りは自作も盛んなジャンルなので、手先の器用な方々が自作仕掛けを数多く手掛けていてネットでの販売も盛んで百花繚乱の趣きがあります


そんな中僕はといえば、あえて高い仕掛けを使わないこと、自作するにしても可能な限り廉価で簡単にすること=誰でも簡単に作れるものを影のテーマにしていたりします

今回は今まで使っていた仕掛けのパーツを見直し、より使いやすく、より作りやすく、より釣れやすく(?)改良したつもりの小物汎用仕掛けをご紹介します

いままで使っていた仕掛け


そもそも何故斜め通しウキが必要なのか?



市販の斜め通しウキ


そもそも何故タナゴ釣りに斜め通しウキが利用されているかというと、タナゴ釣りは仕掛けの縦方向の上げ下げが多い釣りなので、普通のウキだとどうしても仕掛けがウキ足に絡まりやすく、手返しが悪くなってしまいます

それを予防するためにウキの中を斜めに糸を通して、糸が引っかかる部分を少なくしているのが斜め通しウキなのです

しかし、この斜め通し構造は小さなウキの土手っ腹に穴を開ける構造であり、さらに根掛かりや魚が掛かった時など糸が張られた時に斜め通し部分に外力が掛かりやすいため、ウキの強度や耐久性が下がったり、作る際にウキの芯を取るのが難しかったりと難点もあります

各釣具メーカーから市販されている発泡素材やバルサ製の斜め通しウキでも十分魚は釣れるのですが、市販ウキはどうしてもサイズが大きくなりがちで浮力が大きく、手作り品に比べて精度が低く、破損しやすいわりにはまあまあの値段がするという難点があります


※もちろんメーカー品でも十分釣れるんですよ?

市販ウキの分かりやすい難点であるウキのサイズの大きさについて僕の考えを説明すると、ウキが大きい=浮力が大きいので、浮力と同調させるためのオモリも自然と重くなります

当然ですがオモリが重いほど仕掛けのフォールスピードは早くなり、軽いほどゆっくり沈むため餌が落ちていく速度が変わります


流れに速さがある場合や狙いのタナに一気に餌を送り込みたい時はオモリが重いほうが有利だと思います

逆に止水で魚にじっくりと落ちていく餌を見せたい時はオモリが軽いほうが有利だろうと考えます


市販品でも手作りのバルサ製やヤマブキ製など素材や浮力にこだわった小さめのウキもあるのですが、こちらは普通のメーカー製品よりも更に値段が高い(1,500円以上)です

材料を購入して自分でウキを作るのも一つの手ですが、手軽に釣りをするにはあまりにもハードルが高いですよね

また、手作りで全てがセットされた仕掛けも販売されていますが、こちらも大体2,000円程度する上に、細い仕掛けですから根掛かりなどによる破損のリスクが結構あることを考えると決して安い買い物ではありません


そんなわけで、今回作る仕掛けのコンセプトは、なるべく簡便に小さなウキを使い、全体として絡みづらく軽い仕掛けにするというものです




ウキ編

まず今回のコンセプトから、斜め通しウキを使うのは入手性や製作難易度が上がってしまうのでやめました

タナゴ釣りの連動シモリで使用される親ウキは斜め通し以外だと中通しがあります

中通しウキは糸が張られてもウキ自体には力がかからないので斜め通しよりも頑丈で、耐久性があります

小さなウキを手に入れる方法について考えていたのですが、答えはわりと身近にありました。

小さいこと、絡みにくいこと、加工が簡便なこと、なんなら安いこと…これらの条件を全て満たすウキの材料は…


お前だ!!


今回親ウキに選んだ素材は発泡シモリウキ(0号サイズ)です!!

小さく、廉価で、入手性も良いので、これが素材に使えるなら最高だと思って選びました(というか道具箱に入っていた余りが目に付いたので流用しました)

市販タナゴウキとのサイズ比較


そのまま使っても特に困らないのですが、使用する上で一色のままだとなんとなく格好がつかないので油性ペンで下半分を黒で塗ってから、補強のためにUVレジンでトップコートして耐久性を上げました

一応、魚が下から見上げた時に黒い方が目立たないからプレッシャーを与えないという謎の理由でウキの下半分を塗ることが伝統的に行われていますが、その真偽や効果は謎です(ルアーだと逆に腹側は白くすることが多いですよね…)

※この加工は自己満足で釣果には関係ないと思うのでやらなくてもいいです

After/Before 


用意するもの

・シモリウキ(今回は0号使用)

・マスキングテープ

・油性ペン

・まち針

・UVレジン&UVライト(あれば)

※ウキ以外の材料は百均で買えます


工程

1:マスキングテープでシモリウキの上半分を巻いて持ちやすくする

2:油性ペンで下半分を塗って乾かす流れを2回繰り返す

3:まち針などをウキの穴に通して、一滴出したUVレジンの上で回して塗る

  ※この時に全体のレジンの層が均等になるように針などで均すと綺麗に仕上がります

4:UVライトか日光でレジンを硬化させ、ウキの上下をハサミでカットして針から外す

※マスキングテープを曲面に貼るのは難しいため、綺麗に塗り分けるためではなくシモリウキを固定するために使いました

※表面塗装は透明ウレタンなどでも良いと思います





ウキ止め編

さて、完成したウキですが、シモリウキを固定する方法は輪ゴムを通すのが定番ですが、輪ゴム固定だと必ず芯から片側にズレて留まるのでそれが若干気になります

釣果にはおそらく影響しませんので気にしない人は輪ゴムで十分です

伝統的なタナゴの中通しウキの場合は鳥の羽根の先端部分の毛をカットして羽根の芯を下から刺し入れることで糸に留めるのが定番です

フライやテンカラをやる人なら家に鳥の羽根も余っているかもしれませんが、残念ながら我が家にはありませんでした…鳥の羽根の代わりになりそうなものを探すと…


デンタルピック!
 
シリコン製の先端構造がある歯間ブラシ!

 

…この形状はほぼ毛をカットした鳥の羽根の芯と同じです!

 

ジャストフィット!


シリコン素材なので糸を傷つける恐れが少ないのもいいですね!やっつけで選んだわりにはかなり良い組み合わせのような気がします!!

もし買われる場合はGUMデンタルピックのSSサイズを買ってください 普通にデンタルピックとしてもオススメです

※1 ない場合は輪ゴムや爪楊枝などで固定すれば良いと思います

※2 デンタルピックの新品を使うのは勿体ないので、一度使ったものをアルコール殺菌してから流用しましょう(汚い)


 



プロペラ編

近年のタナゴ釣りの連動シモリ仕掛けではプロペラ付きが流行っています

魚のアタリが動きとして目に見えるという利点はもちろんですが、親ウキよりも下の水中に目立つモノがあることで、より繊細なアタリに気付きやすくなり釣果も伸びる便利なものです

これはメーカー製の市販品は殆どなく、3枚羽や4枚羽、ウキ自体に羽を付けるなど、様々に凝った作りのモノが手作り品として各種サイトやタナゴ釣り専門店で販売されています

また、完成済みの手作り仕掛けに含まれていることも多いですが、これまた2,000円程度と結構いい値段がするので無駄にハードルをあげているアイテムでもあります

今回は便利なのに地味に高級なプロペラを限りなく安く、簡単に作る方法を紹介します


用意するモノ

食品のパッケージ袋などフィルム状のプラスチック素材(今回はフィルム式ポストイットを利用)

絡み止めパイプ(今回は0.6mmのパイプを利用)

安全ピン(軸が太めのもの)

ライター

UVレジン&&UVライト(あれば)

※絡み止めパイプ以外は百均で揃います


工程

1:袋やポストイットなどプラスチック素材の物を約10mm×3mmの長さに切る(長さは目安です)

2:定規などをあてて上下左右の中心点に安全ピンで穴を開ける

3:1.5cm程度まで安全ピンを通し、ピンの先端をライターで炙る(穴を開ける際に生じるプラの尖った部分を溶かす)

  ※ピンを熱しすぎるとプラ素材が溶け落ちるので火加減に注意

4:絡み止めパイプの先端を斜めに切って尖らせて、プラ素材にできた穴に通す

5:通したパイプとプラ素材の接地面の表裏にUVレジンを塗って硬化させる

6:ハサミでパイプを適当な長さに切る




10mm×3mm幅で切ったプラ素材を集めておきましょう

長さが揃っていると中心が出しやすいです

プス

少し上までこき上げたら、針の先端をライターで炙ります

キレイな穴が開きました

絡み止めパイプの先端を斜めにカットして

穴に通します

UVレジンをプラとパイプの接続部に塗り

硬化させて

上下をカットしたら出来上がり

こんな感じで出来上がりです。

※仕上げに本物のプロペラのように軸を中心に左右端をひねると回りやすくなります

身近にあるプラのパッケージ(アルミ蒸着フィルムなども良い)を色々使えるので、良さそうな色や柄の袋を見つけたら切り出しておきましょう

もちろん簡単な作りなので市販品のようにハチャメチャに回るわけではありませんが、それなりには使える物が作れます

下の動画で動きを見てみてください(15秒あたりでアタリがあって回転してます)





今回芯に使ったウレタンチューブは、たまたま家にあった絡み止めパイプを流用しましたが、実際はもっと細いもののほうが適しているような気がします

(僕が使っているナイロン道糸0.4号の標準直径は大体0.1mmなので、遊びも加味してパイプは0.3から0.4mmくらいが合うんじゃないかなと思います)

 



糸ウキ編


伝統的な羽根芯を使った手作り糸ウキ

糸ウキはプロペラ同様に水中の繊細なアタリをつかむための目印です。伝統的には鳥の羽根の芯を使う事が知られています

鳥の羽根芯製の糸ウキを扱っている釣具屋は少ないですが、和竿を扱う釣具屋やタナゴ釣りの専門店などに行くと300円程度で販売されています

市販品ではジンタン目印を使うのが面倒がなくて良いでしょう



バドミントンのシャトルコックを利用して羽根芯の糸ウキを作るやり方もあるのですが、今回はより簡便で、近年流行っているUVレジン製の糸ウキの作り方を紹介したいと思います


用意するもの

適当な枠か箱(スマホカバーやスマホのガラス固定治具などで十分です)
裁縫用まち針(安全ピンでも可)
テープ(ビニールテープ、マスキングテープなど)
UVレジン&UVライト(硬化させる工程が多いのでライトがあった方がいい)
軟質発泡用塗料(東邦産業のものがオススメ)

※塗料以外は百均で買えます


工程
1:チチワを作って仕掛けの長さ+10cm程度に切った道糸を用意する
2:枠または箱状のものの糸を張り上下をテープで留める
  ※プロペラを入れる場合はこの時枠内に通しておく
3:UVレジンを1滴だけ出して、まち針で掬って糸に塗って球を作る
4:張ってる糸をこよって球がセンターにあるか確認し、こよりながらセンターを出す
  ※最低限の量で球を作ればこの工程が必要なくなるので慣れてください
5:1粒ずつ作っては10秒ほどライトをあてて硬化させる
  ※プロペラ固定用に必ず上下を球で挟むのを忘れずに!
6:仕上げに全体に30秒ほどUVライトをあてて、硬化したのを確認したら一度爪でつまんで動かす
7:塗料を針にとって一粒ずつ塗る
  ※片面を上にして上面に塗って、下面にも針をあてて吸い取るようにすると綺麗に塗れる
8:半日以上乾かしたら完成






道糸を張り、プロペラを通して、テープで固定する

UVレジンを1滴だけ出す(1滴でも多いくらいです)

まち針でレジンを掬って一滴ずつ付けて硬化させる

※UVレジンのセンター出しに苦労するという話をたまに聞きますが、センターを出す必要がない量(勝手に丸くまとまる量)を乗せるのがポイントです。

センター出ししないといけない人はそもそもレジンを多く塗りすぎだと思います

極端に大粒の目印を作りたいとかでなければセンター出しは無駄な工程です



東邦産業の軟質発泡塗料は発色も硬化具合も良いのでオススメ

プロペラが乾いていない糸ウキに触れないようにテープを挟み、縦に立てて放置


半日くらいで塗膜が硬化しますが、丸一日置いておいたほうが無難でしょう

以前は白を塗ってから蛍光イエローを塗ってましたが、蛍光イエローだけでも視認性が低いわけでもないので今はこんな感じになりました



ハリス止め&オモリ編


ハリス止めは以前からホチキス針を加工したものを使っていたのですが、形状を変えました

左が以前のもの、右が今のもの


以前は市販品を参考に、結び易さを重視した形状だったのですが、現在は折るだけのデザインに変えました



形状を変えた理由として、作成が簡便なことはもちろん、そもそも一度結んだら道糸を結び直す機会がほとんどないなどの理由もあるのですが、この形の肝は道糸の結び目を軟質パイプで保護しつつ、さらにパイプに糸オモリとして銅線を巻き付けることで小さいウキの浮力にあわせられる点です(板オモリだと重すぎて沈んでしまいます)

デメリットは道糸が切れた時のリカバリーが面倒くさいところ…とはいえ根掛かりの少ない釣りなのでそこまで気にはならない…はず?




用意するもの
ホチキス針
ラジオペンチ
銅線
軟質仕掛けパイプ(0.8mmのものを利用していますが0.6mmでもいいかも?)

※パイプ以外は百均で買えます


工程は語るまでもないので省略






まとめ

そんなわけで出来上がったウキ、ウキ止め、プロペラ、糸ウキ、ハリス止め、オモリを全部組み合わせると…

完成!

”中通し式連動シモリプロペラ仕掛け”が完成しました!


名前が長いのでタナゴ仕掛けver.2とでも呼ぼうかな…


今回の仕掛けはウキの小型化、仕掛けの軽量化、視認性の向上がコンセプトでしたが、結果的にコスパも大幅に向上しました

以前の仕掛けもそれなりにシンプルな構造ではあったのですが、今回は更にシンプルに無駄のない一直線な作りになり、絡みにくい仕掛けが作れたと思います

使い勝手などはこれからどんどん使い倒して問題点を洗い出していこうと思いますが、2~3回使った時点では特に不便などは感じていません

量産化も視野に…?


この仕掛を作るにあたって使用した材料はほとんど家にあったもの(他の釣り用に用意していたもの)の流用なので正確な額は出せませんが、一番高いのがシモリウキで1個20円ほど

針抜きで大体50円程度、針込みで約100円くらいで作れる仕掛けです

もちろん人件費は無視してますが笑

今まで使っていた仕掛けはウキだけで400円程度していたので大幅なコスパ向上になりました!

これなら釣り場で人にあげたりしても懐も傷まないしいいんじゃないかなと思っています





以上、拙い説明になりましたが今回の仕掛けの刷新はこんな感じになりました

あなたの仕掛け製作の参考になれば幸いです


この仕掛けを使用した釣行は次回以降の記事にしますのでお楽しみに!





もちろんちゃんと釣れてますよ!!



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