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2019/09/15

誰でも釣れる!?私的ハゼのミャク釣り講座 2019年版

 マハゼは身近な河川や河口で誰でも簡単に出来て、数が釣れて、食べて美味しい、釣りの入門にぴったりな魚だと思います

僕も去年の秋から久々にハゼ釣りを再開して、都内のあちこちの河川、運河に釣りに行って楽しく釣りをしています

毎回色々と試行錯誤をしているので、備忘録として2019年現在の僕がやっているミャク釣りの仕掛けやエサ、考え方など、自分で経験して感じたものをまとめてみたいと思います

日差しも柔らかくなるこれからの季節、秋本番のハゼ釣りのハイシーズンに向けて、ハゼ釣りに興味がある方の参考になれば幸いです





下手なやつ程語りたがるという例のアレです…ぬるい目で見てください(笑)


※以下色々と長いので、具体的な仕掛けと結論だけ見たいぜー!!!という方は一番下まで飛ばしてください_(3」∠)_


1:ミャク釣りってどんな釣り?

ミャク釣りは、ウキなどを使わずに糸から伝わってくる感覚(ミャク)を頼りに川底の構造や魚のアタリを拾いアワセを入れて魚を釣る方法で、主に渓流釣りなどで用いられる古典的な釣法です

聞きアワセを用いて魚の反応を探るチヌのヘチ釣りも広義のミャク釣りにあたると思います

竿から伝わってくるわずかな振動を通じて水中の様子を想像し、ダイレクトに魚とやり取りをするので真剣勝負をしている感じがして楽しい釣り方です

あと待つ釣りではなく攻める釣りなのでせっかちな人に向いていると思います(笑)



百聞は一見にしかず(音が出ます)

2:道具立て

釣りに最低限必要な道具といえば、ロッド、道糸、ハリス、針、オモリですが、ミャク釣り仕掛けは非常にシンプルなので、これらの道具さえ揃えれば釣りができます

極論してしまえば100均で売っている竹竿、ナイロン道糸、ハリス付き針とカミツブシがあれば、あとはエサを用意すれば一通りの道具は揃うといってもいいでしょう

とはいえ、多少は道具にこだわりたくなるのが釣り人のサガ…せっかく色々便利な道具があるのだから使わない手はありませんよね

以下に僕が実際に使ってみてミャク釣りにオススメできる道具、感じたことやこだわっている点についてまとめたいと思います


竿

一般的に渓流竿と呼ばれる3m程度の硬調・先調子で手元に重心がくる軽い竿がおススメ 
高い竿=良い竿とは限らない

上:ダイワ ひなた中継32M 下:ダイワ KEIRYU X 硬調24

※例えば上の写真のひなたは2.8→3.2mのズームロッドですが、ズームしてない時は重心が手元に来て快適に使えますがズームすると重心が前にズレて重く感じます

ハゼのミャク釣りは繊細なアタリに鋭敏にアワセを入れる釣りですので、軟調の柔らかい竿ではアワセのタイミングがズレます(勿論軟調では釣れないというわけではありません)

なので、硬調で先調子と呼ばれるタイプのシャッキリした硬めの竿が向いていると思います

また、ミャク釣りは長時間同じ動作を繰り返すので、竿は軽ければ軽いほど、持ち手が細いほど疲労感が軽減します

重さと共に大事なのが重心の位置です。同じ重さの竿でも重心が手元にくる竿と、竿の中心寄りになる竿とでは、手首への持ち重り感が全く異なります

この感覚は竿ごとの材質や設計の問題なので、高い竿でも持ち重りするものがあったりします。実際にお店で何本か竿を伸ばして持ち比べてみるのがオススメです

(竿の持った感じを知りたいので触らせてください等と店員さんに言えば普通は嫌な顔はされません)※ことわり無く竿を伸ばすのはやめましょう

竿の長さは2m~3m前後を基準にメインで行くであろうフィールドに合わせて選ぶといいと思います

事前にネットでその釣り場でどのくらいの長さの竿が使われているか調べてみるか、下見しに行って、常連さんが使っている竿の長さを把握しておくと良いでしょう

基本的には足元探り用の2m程度、少し先を狙う3~4m程度の竿の2本があると便利だと思います(最初は一本で良いと思います)



ミャク釣りの仕掛け

ミャク釣りの仕掛けは基本的には道糸、ハリス、オモリ、針の4つで構成されています

僕は更にスイベルや目印などを使って効率化を図っています


ハゼ釣りに必要な道具はかなり少ないので画像のような小物ケースで全部収まります

このケースに発泡テープを貼って使っています

道糸

1号~2号前後の糸ならなんでも良いです

個人的なオススメは視認性の高い派手な色のPEライン、0.6号以上1号程度までのあまり柔らかすぎないもの。ただしPEラインは風には弱いです


貼っておいてなんですが、0.4号は柔らかすぎて使いづらいです(笑)


PE、ナイロン、フロロ、エステルなど基本的にはどんな糸でも良いと思います

どの糸も利点と欠点があるので色々使ってみてお好みで選んでください

ハゼに関しては”高い糸だから釣れる”なんてことはありませんので、道具箱に余ってる適当な糸を使いましょう

おおまかな特徴としてはナイロンは安価ですがヨレやすく、目印を動かした部分がヨレたりします

フロロはナイロンよりヨレに強く比重が重いので風に(やや)強いですが傷つきやすいです

PEは視認性が高く、糸を張ってる時は感度が高いですが弛んでいる時は感度がなくなり、さらに風に弱いです

エステルは感度が高い代わりに直線強度が弱く、根掛かりした時に引っ張ると呆気なく切れたりします

PEは色落ちなどを気にしなければ余程根のキツイところでなければ1シーズンは余裕で使い回せると思います



どの糸も0.6号からラインナップがありますが、なぜか0.6号を取り扱っているお店は少ないです

0.8号でも特に問題ないので見当たらない時は0.8号を選ぶとよいでしょう

上記のハリスを採用する
理由は、糸自体にハリがありまっすぐ横に出るので道糸に絡まりにくいという点です

また、マハゼはエサを咥えてひったくるようなアタリ方やエサに食いついてローリングするような給餌パターンをとるため、ハリスへの負担が結構大きく普通のナイロンハリスだとすぐにハリスが傷付いて白くなったり、チリチリにヨレてしまいます

一般的にハリスが傷つくと魚が警戒しやすくなると言われていますし、ヨレるとその分感度は低下しますので、ミャク釣りには致命的です。

これらの症状に強いのがホンテロンやトヨフロンスーパーハードシリーズで、ホンテロンは多少ヨレても指でしごくとクセが抜けるので重宝します

トヨフロンEXハイパーはホンテロンよりやや柔らかいですが強度は十分にあり、食い渋っている時などに餌を自然に漂わせたい場合に変えて使います

袖針1号の方が針が小さい分食い込みやすくなりますが、ハリスを結ぶのに若干苦労します



ハゼ釣りだからハゼ針じゃないの?と思うかもしれませんが、ハゼ針は流線針のように軸が長い針で虫エサに向いている針です

虫エサを針に固定し、外れにくくするためには針先から長い軸にこきあげる必要があり、そのためにこの形状になったのかなと思います

また虫エサを使う事が多いハゼのちょい投げ釣りは、向こうアワセの釣りなのでアワセが遅れて針を飲まれる事が多く、その際に軸が長いと針を外しやすいというメリットがあります

僕はミャク釣りには虫エサを使わずボイルホタテを主に使用するためハゼ針は使いません

ハゼに違和感なくエサを食い込んでもらうためには小さい針のほうが有利なため、袖針の1号から3号を愛用しています

小さな袖針の号数でハリスにホンテロンを使っている市販品があるならばそれを買うのが一番手っ取り早いのですが(ワカサギ用で一部市販品があります)コスパ的にはバラの針を買って自分で結ぶ方が安上がりなので、はじめは自分で一本ずつ手結びして使っていました

現在は自動針結び器を購入して使用していますが、自作が好きで針とハリスにこだわる方は一秒でも早く買うべき商品だと思います



シーズン中2~3回くらいしかハゼ釣りをやらないという方は、ハリス付きの袖針で十分でしょう

釣具屋にこういった商品があると思います

ハゼの口は意外と固く、しっかりと口先でフッキングすると針が抜きにくかったり、針先が鈍ったりします。また釣り慣れるまでは針を飲まれることも多いでしょう

そのような場合無理に針を外そうとすると針が伸びたり曲がったり折れたりとトラブルがつきものですので予備は多めに(一日やるなら一人につき10本はあってもいい)持っていきましょう

  




オモリ

オモリはナス型の0.5号~2号程度が良いと思います。釣りをするポイントの水深や流れの強さによって適切な重さは変わります
 

基本は仕掛けが流されない重さを選ぶ形になります

はじめてミャク釣りをする方は気持ち重めのオモリで始めて、底を取る感覚を手で感じられるようになったら流されない程度の最小限の重さのオモリに変えていくといいと思います

可能な限り軽いオモリを使う理由は後述する仕掛けの沈下速度に関係しています

ハゼ釣りの定番であるタイコでなくナスにするのは、オモリを竿先の操作で小突いて動かす際にナスのほうが長い分動かしやすいためです

色でアピールする必要があるかという点は、釣り人によって様々意見が分かれるところだと思いますが、僕は一応おまじないとして色付きのモノをメインで使って、ハゼが色を警戒して散ると感じたら普通の鉛色のオモリにします

ちなみに釣り場によっては縄張り意識が強く目立つオモリに体当たりしてくるハゼもいます

ハゼクラというハゼのルアー釣りでハゼが釣れるのはこういう理屈だろうと推測しています



自動ハリス止め

12号~14号が最適でしょうか?最近はヨリモドシ機能のない「オサノン 完全ハリス止 小小」という商品を愛用してます



僕の仕掛けでは自動ハリス止めを使ってハリスを止めています

最初のうちは普通のハリス止めを使っていたのですが、通常の自動ハリス止めの場合ヨリモドシ機能で針が向いている方向が回転してしまい一定にならないという難点がありました

ペンチでヨリモドシ部分を潰すという方法もあるのですが、釣具屋で”完全ハリス止”なる商品を見つけて、現在はこれを愛用しています

これだと常に針が向いている方向を一定にできるのでアワセが決まりやすく……なったかどうかは定かではありません(笑)

自己満足の世界です。自動ハリス止めとそんなに値段変わらないのでまあいいかなと思っています


ビーズ



自動ハリス止めを固定するためのモノで、僕と同じ仕掛けでなければ別に必要ありません

僕の仕掛けはハリス止めを固定しない誘導式にしており、上端をビーズで固定しないとどこまでも上に上がってしまうため、ビーズを使って止めています。

固定と言っても糸を一周させてるだけですので簡単に上下に動かせます

派手好きといわれるハゼですが、色々試してみましたがどんな素材でもそんなに差はないと思います

ケイムラボールはエサと勘違いして突っついてくる事があるので一長一短かなと思います…(笑)


目印

なくてもいいけれど、使わないメリットより使うメリットの方が大きいと思います

釣具店の渓流釣りコーナーなどにあると思います


ミャク釣りに目印が必要かどうかは議論があるところだと思います

僕は仕掛けの投入点と、仕掛けを落とした場所のタナが分かりやすくなるので付けています

当然目印を付けると仕掛け全体の表面積が増えて風に煽られやすくなるので、小さくしたり外したほうがいい時もあるかと思います

最近は撮影もしているのでわざと多めにつけて仕掛けを目立たせたほうがいいのかな?と釣りと関係ないところの必要性を考えたりもしています

目印の代わりに極小のウキを付けて、ウキ釣りとミャク釣りのハイブリッドみたいなことができないか考えていたりもするのですが、まだ研究中です



3:ミャク釣りのエサ

総合的にみてボイルホタテが一番使いやすいです

ハゼ釣りに使うエサは、主に虫エサ(アオイソメ、ジャリメ)、ボイルホタテ、ボイルサクラエビなどが挙げられます

生のホタテは使いにくいので間違って買わないように気を付けてください

虫エサは手返しよく使えるため愛用する人が多いです

ハゼ以外の魚も食ってくるので、五目釣りも楽しみたいという場合には向いているかもしれません

ただ虫エサは基本的に釣具屋でしか売ってないため、入手性、保存性がイマイチなことがネックかなと思います

ボイルホタテはスーパーの鮮魚コーナーで売っているので入手性が高く、また冷凍保存できるため長期保管にも向いていること、価格が安いことが利点です

難点は針持ちが悪いことで、老眼の進んだ高齢アングラーほど嫌がる傾向がある気がします

ただホタテの針持ちの悪さを活かして、あえてエサを大きめにつけてハゼにわざと撒き散らさせて魚を寄せるというテクニックもあるので一長一短かなと思っています

ボイルサクラエビはホタテに輪をかけて針持ちが悪いのですが、ホタテに無反応なハゼに効く時があるので、ハゼを惹き付けるなにかがあるのだと思います

いずれのエサを使う場合も必ずエサから針先が出るようにしてください。基本の基本ですが大事なポイントです

ホタテやサクラエビは冷凍保存が効くので色々なエサを用意しておいて、その日一番反応の良い餌を使うのもテクニカルでいいと思います。

調子が良ければホタテ一粒で30〜40匹は釣れます




4:釣り方

釣り方はこれが正解というものはないので、僕が普段やっているやり方を紹介したいと思います

①まず初めて探る地点はエサ(ホタテ)を大きめに付けてアピール度を高めます

②狙っている地点より少し遠目にオモリを静かに着水させ、糸を張った状態で竿先で落下速度を調整しつつゆっくりと仕掛けをおろしていきます

③糸を張ったまま仕掛けを着底させ反応を待ちます。糸を張ることでエサへのハゼの反応(ミャク)が手に伝わってくるので、糸を緩めないように気をつけましょう。特に食い気が立ってるハゼがいれば着底から3秒以内にアタってくるので、集中しましょう

④ハゼの活性が高ければ5秒、低ければ10秒程度待ってみて、反応がなければ仕掛けを少しだけ浮かせて再び着底させるか、10cm程度横にずらして着底させて誘いをいれます。ここでも着底時は集中しましょう。

⑤ハゼのアタリの代表的なものとして「コッコッ」や「ココッ」という小さいアタリ「ブルブルッ」という大きいアタリがあります

小さいアタリはエサを啄んだり、仕掛けにぶつかってる時のアタリで、大きいアタリは一度吸い込んだエサを吐き出してるアタリだと言われています

なので、小さいアタリにアワセると口先に針がかかり、大きいアタリにアワセると針がかりしないか、喉の奥にかかることが多いです

ミャク釣りでは小さいアタリが出る瞬間、または出る直前にアワセを入れる、いわゆる前アタリにアワセて口先に針を掛けるのを狙います

⑥アタリがあった上で針がかりしなかった場合は、同じ場所にエサを投入すれば同じハゼがあたってくる事が多いので、仕掛けを投入した場所を覚えておいて、再度チャレンジしましょう。(派手なPEや目印はこういう時に役立ちます)この時仕掛けを入れる場所が大きくズレるとあたってきません。

・このアワセられなかった一匹にこだわるのも楽しくていいのですが、3回ほどフッキングが決まらなかったら意固地にならずにさっさと別の場所を探る方が釣果は伸びます

・ハゼは群れで行動する生き物なので、1匹釣れたポイントには少なくとも3匹くらいはいると思って、アタリがなくなるまでは同じポイントを攻めてみましょう

・遠中近の左右を含めて奥から手元側まで順番に探ります(順番にこだわりはありません)どこを探ってもアタリがなかったら、3m程度横にズレてまた探り直します

5:結論

以上をまとめると
道具は
竿 3m前後の硬調先調子竿
道糸 PE0.8号
目印 渓流用蛍光毛糸
ハリス スーパーホンテロン0.8号
針 袖針1号
ビーズ ケイムラボールソフト
スイベル 完全ハリス止 小小
スナップサルカン14号
オモリ ナス型0.5号
エサ ボイルホタテ


釣り方は
ゆっくり仕掛けを下ろして5秒待つ。アタリがなければ粘らず移動

という、僕のいつもの感じなります


仕掛けを図にすると…

こんな感じになります

図にある通り、僕のミャク釣り仕掛けは塙式仕掛けという名人の仕掛けのアレンジです。



左が塙式(伝聞)で右が僕のアレンジです

塙式は塙実氏という江戸川放水路のボートハゼ釣りの名人が考案したボートハゼ用のミャク釣り胴突き仕掛けで、仕掛けをすべて糸のみで繋ぐことで微細なアタリを拾うことができるという特徴を持つ仕掛けです

僕も去年ハゼ釣りを初めた時はこの仕掛けのコンセプトに感動してそれなりにお世話になったのですが、実際オカッパリで使ってみると結構気になる点があったので(そもそもボート用のバーチカルな釣りに使う仕掛けを陸で使うのだから当然ですが)、少しずつ気になるところを変えていって今の形になりました

おそらくまたここからいくらかは変わっていくかとは思いますが、僕の仕掛けでも束釣りはできるので、もしよかったら参考にしてみてください

撮影のために久々に塙式を結んでみましたが、やはり無駄のない削ぎ落とされた美しさがありますね…_(:3」∠)_

大分長くなってしまいました。

色々語りましたが、ハゼなんているところにエサを落とせば勝手に釣れる魚ですので、気楽に始めてみてください。

一通り道具を揃えても5千円くらいで十分始められると思います!100円ショップの釣具などを利用すればもっと安く始めることもできるでしょう。(個人的には品質面に疑問があるのでオススメしませんが)

実際やってみて、もっと釣りたい!もっと手返しを良くしたい!など課題が生まれたら一緒に考えていきましょう(笑)





本当はハゼの生態から考える釣り方、食わない時の食わせ方やエサの付け方、荷物のまとめ方など語りたいポイントがあるのですが、あまりにも長くなるので需要があったらまた書きます

拙作のこんな動画もあるので良かったらご笑覧ください

北十間川 ハゼ釣り調査&ミャク釣り講座 2019年8月末



旧中川 ハゼ釣り調査 2019年9月1日





旧中川 ハゼ釣り調査(江戸川区側) 2019年9月5日

2021年初夏 北十間川ハゼ釣り調査



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