釣り好きオジサンのパックロッド片手の電車釣行&地元の川釣り blog

2021/09/27

自作:誰でも作れる!?約300円で一生分のタナゴハリス止めを作る方法

最近熱を入れて遊んでいる小物釣りですが、小物釣りの楽しみの一つに釣り具を自作するというものがあります

ベテランの中にはウキや竿の自作、針の手研ぎなど、素人にはとても真似できないようなセミプロの方々が沢山いらっしゃいます

2021/09/26

2021年9月 お久しぶりの北十間川で初心者アテンド

本日は久々に北十間川にハゼ釣りに行ってきました。暑さも落ち着いてのんびりと釣りができるかなと検索してみると、なんとテレビ番組で釣り場として紹介されたという恐ろしい情報が…
友人とは11時集合で約束していたのですが、場所が取れなかったら困るので自分だけ8時半着で釣りを開始しました

2021/09/25

2021年9月 地元で有名な温排水スポットで五目釣りを楽しむ

今回は地元でも有名なフナ釣りスポットで釣りをしてきました。
ここは温泉施設の排水があるため冬でも水が暖かく、一年中魚が釣れる場所として結構有名で、いつ行っても常連さんがいる釣り場だったりします。
今日は平日の午後という人の少なそうなタイミングを狙って釣りに行ってきました。

2021/09/24

2021年9月 検証:テナガエビ秋には釣れない説は本当なのか?

釣りの本にはテナガエビは梅雨の時期に産卵のために浅瀬に来て、夏になると深場に落ちるため釣り辛いと書いてありました。
大河川ならそうかもしれないけど池だったら関係ないんじゃない?と思って以前にテナガエビを釣りに行った池に釣りに行ってきました

2021/09/23

2021年9月 釣行記録 秋の小物釣り② 収穫の秋を堪能

今回は友達と一緒に前回ヤリタナゴを釣ったホソに行ってきました

前回と違って水の流れが滞り、濁りが強くなっていました。前々日に強めに雨が降ったため、若干水量が増えていました。

2021/09/22

インプレ ホソ探りに最適な一本!ダイワ ひなた 4尺

今回は新しく買ったダイワの小物竿”ひなた 4尺”のインプレです


2021/09/15

2021年9月 秋の小物釣り 新しい釣り場で基本に立ち返る

グーグルマップを見つめていたら気になるホソがあったので行ってきました





稲刈り後の枯れ草の匂いが漂う田園地帯の細い農道をウロウロとさまよって、石橋のかかる良い雰囲気の小川を発見しました



2021/09/12

忘れ得ぬ釣り人 シラサギのおじさん

event_note9月 12, 2021 forumNo comments
近頃小物釣りにせっせと通っているが、小物釣りといえば忘れられない人がいる





僕が小学三年生の頃、祖父から誕生日プレゼントで淡水釣りの仕掛けと本を一式買ってもらった僕は釣りに夢中になっていた。

といっても、まだ一人で釣りが出来るほどのセンスがあるわけもなく、買ってもらったばかりの釣り道具は大事にしまって、自転車で田園地帯の用水路まで出かけていって釣りをしている人の隣で釣りを観察させてもらう(今思うと迷惑な子供だ)というのが主だった気がする

人の釣りを見るというのは面白いもので、同じ釣り物でも人によって竿から仕掛け、エサまで結構違っていて、少年の僕はあれこれと質問させて貰っていた記憶がある

当時は用水路に大きな堰があり、その堰下はタナゴ釣りのメッカとして、近隣の釣り人を集わせ、いつでも十人以上の釣り人が竿を出していた

当時はタナゴはありふれた魚で、別にありがたみも感じていなかったので堰下の釣り人達には特に質問はしなかったが、今思うと勿体ないことをしたなあと思う



さて、そんな初夏のある日、いつもよりも少し遠出をして田園地帯の一番端にある小川までやってきた。

両岸にセンダンやケヤキ、ハゼなどが青々と茂り、川の上をその枝葉で覆っていて、隙間から日差しがキラキラと透明感のある川に落ちていた。

橋の上から川を見下ろすと、3m程下の浅い流れの中程が小さな堰提になっており、その堰提の真ん中あたりの砂州に座って釣りをしているおじさんがいた。

”釣れますかー?”と声をかけるとおじさんは”見においでー”と声を返してくれた。


見においでと言われても、3m近い川をどうやって降りたものかと思案しているとおじさんは左側の壁を指差す

その方向をよく見ると壁に縄梯子がかかっていた。

当時、校庭にあったアスレチック遊びに夢中だった僕としては、その縄梯子がたまらなく魅力的に見えたのを覚えている

川べりの柵を乗り越えて、縄梯子に足をかけておっかなびっくり川底まで降りていく。

今にして思えば人生で縄梯子を使ったのはこのときが最初で最後である

さて、川底に着いて堰提の濡れてないところを選んでおじさんの横に行くと、上から見た時は気が付かなかったが、おじさんの右側にシラサギが一羽居座っている

”サギ、逃げないんですか?”と聞くと、”いつもここで釣りをして、釣った魚をあげるうちに隣に来るようになった”というではないか

そんなことあるのか?と驚いていると、”見ててみな”とおじさんはビクから小魚を取り出してサギの目の前の砂州に置いた

サギはさも当然といった感じでその小魚をくちばしでついばんで丸呑みにする。

不用意に近づくとすぐ逃げてしまうシラサギが人に慣れていることにも驚くが、自分でエサを探すより人から貰ったほうが楽だと学習していることにビックリする

聞けば、シラサギはフナよりもクチボソなどの細身の魚が好みらしく、おじさんはフナを釣りたいのだがサギのためにクチボソも釣っているという

そのため竿を2本だして、一本でフナ、もう一本でクチボソを狙っているという。

堰下の流れの巻いて緩やかになっている場所にウキを流し込み、ウキが馴染むかどうかというところで素早くアワセが入り、クチボソが釣られる。それをまた砂州に置くとシラサギが食べる。

当たり前のように繰り返される流れに目を丸くする

”ボクも釣ってみるかい?”とクチボソ用の竿を貸してもらったので、自分でもクチボソを一匹釣り上げて、針を外してからシラサギの前に投げると、お行儀よく?待っていたシラサギが足元に置かれたクチボソを咥えて飲み込む

”すごいですね”と感心していると、おじさんは得意そうであった。

数十分か、数時間か、そんなことを繰り返していた。


川底から空を見上げると、緑の木々の隙間から午後の日差しがキラキラと降り注ぎ、堰提を走る水音がざあざあとこだまし、まるでこの場所が日常の世界から隠された特別な場所のように感じられた。

”すごくいいところですね”とおじさんに伝えると、”ボク、明日も来るかい?来るなら余ってる竿をあげるよ”と言われて、喜んで”明日も来ます、釣り見せてもらってありがとうございました”とお礼を言ってまた縄梯子を登って帰路についた。

初めてきたこの場所は家から自転車で30分程かかる場所で、田園地帯は傾き始めた陽射しに色づき、僕は急いで帰らないと門限に間に合わないと思い一生懸命自転車を漕いで帰った。

明日会ったらおじさんにもっと釣りを教えてもらおうと思っていたが、あいにく翌日から数日間雨が続いた

今思えば、雨が上がったタイミングでまたおじさんに会いに行けばよかったと思うのだが、”竿をくれる”というおじさんの善意を裏切ってしまったことと、”明日来る”という約束を破ってしまったことで、少年の僕はおじさんに嘘をついたような申し訳なさを感じて、その場所に近付くことができなくなってしまった。

数カ月後に同じ川を訪れると、川の水位が増して堰提の中洲はすっかり水底に沈んでしまっていた。

それきり、シラサギのおじさんとは会えていない。










先日、そんな思い出の地に自転車で行ってみた。

左岸の木々はすっかり伐採されてしまいた。小さな堰提も川底に沈んでいる


当時は川だと思っていたが、この川もまた農業用水路である。春に水を入れ田植えをするために増水し、田んぼに水が入った初夏の時点で一度減水し、夏から秋にかけて何度か田を干すために増減があり、秋から冬の農閑期は減水した状態が続く。

そういう農業に則した水の巡りがあり、シラサギのおじさんと出会った初夏の頃は丁度減水のタイミングであったのだ。そういう意味ではあのおじさんがあの場所で釣りをしていた事、たまたまその場所に自分が居合わせた事はどちらも偶然のめぐり逢いであり、まさに一期一会の機会であったとも言える


忘れられない、少年の日の思い出である。

2021/09/11

2021年9月 夕活小物釣り 自作釣具の検証と新釣法の練習(ちょっとピンボケ)

毎度おなじみのホソにいくつか新しい事を試しに行きました


前回水没して無事だったと思ったiPhoneは、内部に水分が入ってしまったようでレンズが曇っています…写真微妙ですが一応雰囲気だけでも伝わればと思います


毎回同じ事をしても仕方ないので、今回は4つのことを検証してきました


1:ポリエステルハリス(ホンテロン0.6号)を道糸に使ってみたら感度は変わるのか

2:自作プロペラを試してみる

3:自作ハリス止めを試してみる

4:タナゴのミャク釣り仕掛けを試してみる


1:ホンテロンのハリスを道糸にする

ネットでタナゴ釣りの世界ではポリエステルラインを使うこともあると読んだので、パリッとしたポリエステルハリスでおなじみのホンテロンのうち手持ちで一番細い0.6号を道糸に使ってみました。

結果としてはそれなりには釣れるのですが、糸のハリが強すぎて微細なアタリを消してしまうことがわかりました。0.6号ならナイロンの方が感度がいいと思います。

0.3号くらいのポリエステルラインがあるなら採用してみるのも面白いかもしれません


2:自作プロペラを試してみる

タナゴ釣りの趣味人が使っているプロペラを試しに作ってみました(お菓子のパッケージを切って針で穴開けたもの)アタリがあったら勝手に揺れるのだろうと思って上下を固定していたのですがプロペラ自体は固定しちゃダメなんですね…失敗しました(やったことないことはちゃんと調べましょう)


3:自作ハリス止めを試してみる

タナゴ釣りのハリス止め、実はホチキス針をペンチで加工すれば作れるとネットで読んで、実際に作ってみたものを使ってみました。特に問題なく使えたのですが、10cm以上の魚が掛かったら伸びそうだなあという感じ。

ホチキスの針は微妙にザラつきがあってバリがある感じがするので、糸にも優しくないんじゃないかなと感じました。コスパは異常にいい(市販品は6個で350円くらい。ホチキス針なら同じ値段で死ぬまで遊べるくらい作れます)本当に何もかもケチりたい人にはオススメできますが、個人的にはステンレス線を加工している市販品の方がいいかなあ…?


4:ミャク釣り仕掛けを試してみる

タナゴのミャク釣りは流れのある場所でタナゴを釣るための仕掛けで、最近はあまり使われることが少なくなった古典的な仕掛けだそうです。

有名なものにアズマ式(中通しオモリの下にハリス止めをつけてハリスを出す、アナゴ釣りの釣り鐘オモリ仕掛けみたいなもの)と、ゴツンコ式(糸のみで作る胴突き仕掛け)の2種があり、手持ちですぐできそうだったのはゴツンコ式だったので、バス釣りのダウンショットリグを参考にシンカーはガン玉6号を使って、高さはビーズの間にハリス止めを挟んで任意に移動できるようにした仕掛けを作ってみました。

先日同じホソに行った時は流れがあったため、ミャク釣りがハマるだろうと思って用意したのですが、今回なんと流れが止まっていて想定のシチュエーションではありませんでした。一応止水でもいいから練習してみるべと使ってみました。エサはアカムシで目ぼしいところをちょんちょんと探ってみるとビビッとアタリがあり、アワセるとクチボソが釣れました。

何匹かクチボソを釣ってみましたが、4cm程度の魚ならアタリが取れるのですが、それ以下の魚のアタリを取るのは難しいなという印象でした。本来想定された獲物である流水棲のヤリタナゴならばもっとアタリが強いのかもしれませんが、クチボソだらけの場所で使うのはちょっと厳しいかなと思いました。

とりあえず止水の場所ではウキ釣りに対する優位性はないかなという感じ…流れのある環境で使うと枝針が横に流れてアピールが上がると思うのでまた違った印象になると思います。ハゼ釣りでもそうですが、アタリがダイレクトにあるのは結構楽しいので流れのある場所を探して使ってみたいと思います。



ということで、釣果は小一時間で小鮒とクチボソが複数、タイバラが1匹となりました

今回の反省を活かしてまた仕掛けを調整してやってみたいと思います…


今回のホソは止水によって水質が悪化していてそんなに長くは釣れなそうな雰囲気があるので、なるべくこまめに通って楽しみたいと思います

2021/09/10

2021年9月 地元のホソで見たこと無い魚を釣りました

今日も今日とて夕方の小物釣り



昨日見つけた雰囲気のいいホソで釣りをしてきました

90cmの小物竿と連動シモリ仕掛け




本日の仕掛け
竿:ベイシックジャパン 振り出し万能小継90cm
道糸:サンヨーナイロン ハゼ0.8号
ウキ:オーナー タナゴウキ極小/ささめ針 小物ウキ斜め通しS
糸ウキ:まるふじ ジンタン目印
オモリ:第一精工 板オモリ
ハリス止め:オーナー タナゴハリス止
ハリス:オーナー タナゴハリス
針:まるふじ 別誂研ぎたなご/がまかつ 極タナゴ 極小
エサ:マルキュー タナゴグルテン/アカムシ




ホソの中で何箇所か探ってみたい場所があるので、練りエサを3等分して、一つを使い切ったら移動という感じで探り釣りをしました
一箇所目、水面を覗くといきなりフナの死骸が数匹分浮いていてなんとも言えない気分に…水が良くないのか?と思いつつも、まあ釣れるだろうと竿を出してみます
思ったより深さがあったのでまずは中層から狙いました。ホソの真ん中ではアタリがなく、際を狙うと徐々にアタリが出てきます
しかし、アタリはあっても魚が乗らない状態…これは思った以上に魚が小さそうだと針をがまかつの極タナゴの極小に交換すると一発で乗りました。お値段は張りますが、渋い時は本当に頼りになる針です


1.5cm程度のクチボソ


その後フナも混じりつつ飽きない程度に釣れてくれます
釣りしてる間に足元でポクポクと音がするので何かと思って下を見ると50cmくらいのデカいコイが鼻上げして水面でパクパクしています
こんなところで何してるんだろうなと見つめていると、浮いていたフナの死骸を吸い込んで水の中に消えていきました
コイは雑食だとは聞きますが、こういう摂食行動も取るんだなあと思わず感心してしまいました
動画で撮れなかったのがちょっとだけ残念(エグい絵面ですが)
大きな鯉が動いて場荒れしたので場所を移動することにしました。

何匹かリリースしましたが、クチボソばかり


2mほど移動


ここでも引き続き小さいクチボソが掛かります。ここでハプニングがあって、釣れたクチボソをリリースしようとかがんだところ、動画撮影用のiPhoneにぶつかって三脚ごとホソに落としてしまいました。
手が届かない場所だったので仕方なくホソの中に降りて拾い上げました…iPhoneは防水がちゃんと機能して無事でしたが僕はびしょ濡れになりました。膝まで沈んだので思ったより深かったです…

ここで帰ろうかと思ったのですが、あと2箇所気になる場所があったので粘ることにしました



他のホソとの合流地点



見てくださいよこのホソ…竿出したくなるでしょう?(伝わる人には伝わる



いかにも釣れそうな雰囲気です


愛らしいフナ



ここでは仕掛けのチチワが抜け、ハリス留めが抜けて10cmほどのフナをバラし、コイっ子が暴れて仕掛けが再起不能な絡まり方をして、さらに竿を落とし、釣れたコイッ子は地面の穴にハマり(夢見が悪くなりそうなので泥だらけになりながら抜いてリリースしました)と、厄日か!?というくらいひどい目に遭いました
それでもアタリはかなりあるので釣り自体は楽しく、クチボソ、フナ、コイっ子、チチブ、ザリガニと多彩な面々が釣れました
そのうち一匹見慣れない魚が釣れました


…何タナゴ?

動画でも…



釣れた瞬間にタナゴっぽいなとは思ったのですが、見慣れたタイリクバラタナゴとは違うと一目でわかります。
僕はいままでタイリクバラタナゴしか釣ったことがなく、常々ヤリタナゴを釣りたいと思っていたのですが、このタナゴが何タナゴなのかはちょっと分かりません…標準和名タナゴのタナゴかなあとも思ったのですが、僕の地元である埼玉県では絶滅しているらしいので多分違うような…でもヤリタナゴよりもタナゴっぽいような…分かりません




この場所で練り餌を使い切って、さらにカバンに忍ばせてきたアカムシも使って夕暮れまで釣りを続けました
17時半くらいでアタリが遠くなってきたので納竿しました



本日の釣果
クチボソ 20匹くらい
フナ 5匹
コイ 3匹
チチブ 1匹
謎のタナゴ 1匹
ザリガニ 1匹



謎のタナゴの正体がわかる人は是非コメントをお願いします。ヤリタナゴなら嬉しいし、違うタナゴならそれはそれで嬉しいので…

いまのところヤリタナゴに2票入ってます!ヤリタナゴにしては特徴のヒゲがあまり見られないのが(個体差かも)きになります…

今日思ったこと
・小物釣りで練り餌を使う場合、最初は当たらなくても根気強く同じ場所を攻め続けることで、その周囲の魚を集めることができる…と思っている。今回もそんな感じで最初の場所は魚を寄せてから釣るパターンになったと思う。
最初はわざと大きめに練り餌をつけて空アワセでエサを散らして魚の活性を上げるのが結構有効なんじゃないかと思う。
タナゴ釣りでは茶こしを使ったコマセで寄せるみたいな技法もあるので、多分間違ってはいないはず
・アカムシはやはりダントツに餌持ちと食いがいい。練り餌で食ってこないときでもアカムシだとアタリを出せるというシーンが結構あるように思う。ただしアカムシ自体は寄せ効果が薄いと思うので、先に練り餌で場所を作ってから、餌持ちのいいアカムシで釣ると手返し良く数が伸ばせるのではないかと思う



本日の反省?
ダメな日はなにやってもダメ でも諦めなければたまに運が転がり込んでくる

2021/09/09

忘れ得ぬ釣り人 N島のお爺さん

event_note9月 09, 2021 forumNo comments

最近知り合いに小物釣りをあれこれと教えていて、ふと”自分は誰に釣りを習ったんだっけな”と過去を思い出す機会があったので、書き留めておく



僕が生まれて初めてした釣りは、記憶にはないが写真が残っている秋川渓谷での家族でのマス釣りである

おそらく三歳くらいの僕がマスを片手に嬉しそうに笑っている写真があり、その写真にはまだ存命だった母方の祖父母や若い両親が写っていてなんだか懐かしい様な恥ずかしい様なくすぐったい気持ちになる。

山形出身の祖父は川から海までオールラウンドの釣り人で、その薫陶を最初に受けたのがそのマス釣りだったのだろう。


残念ながらこの時釣りの経験は記憶には残っていないが、車窓から見下ろした秋川渓谷の広々とした眺めは今もうっすら覚えている





さて、では記憶にある最初の釣りはいつかというと、園児の頃に我が家の斜向かいの家の裏に住んでいたN島さんという農家のお爺さんが釣れて行ってくれた小物釣りである。

“N島のお爺ちゃん”と当時の僕は呼んでいたが、N島さんはその当時70代くらいだったと思う。小柄で、日に焼けた顔に大きな眼鏡をかけ穏やかな顔をして、いつも大きな麦わら帽子を被っていた姿が今でも思い浮かぶ


N島さんはおそらく今で言う小物釣り師であり、毎日毎日自転車の荷台に小さな釣り道具箱を結びつけて釣りに出かける姿を見かけていた。

きっかけは覚えていないが、当時から魚獲り(網で掬う方)が好きな幼稚園児であった僕は、ある日N島さんに釣りに連れて行ってもらう機会を得た。

N島さんの自転車の荷台に乗せて貰い、釣り場に連れて行って貰ったのだ

その場所は国道を挟んだ田園地帯の中程を流れる小川のような用水路であった。いまでこそ自転車で10分かからずに行ける場所だが、まだ自転車に乗れなかった僕にとってはとても遠くに連れてきてもらったように感じられた


側には小さな稲荷があり、細い村道が通る橋から見下ろした用水路は、近くの鬱蒼とした屋敷林が影を落として、淵はとても暗く底が知れない。ここに落ちたら助からないだろうなと身震いしたのを覚えている。

僕が網で魚やエビカニを捕まえていたのは、近所の田んぼの横を流れる側溝のようなホソで、深さも20cmもないような場所であったため、N島さんが釣りをするような小川には近寄ったこともなかった

細い村道の橋の横に船着場の石の階段が組んであり、(今では考えられないが、我が街の用水路には昔は小舟が浮かんでいて、荷物運びに利用されていたのだ)この場所がN島さんのお気に入りであった。階段に腰掛けて流れの緩い用水路の中ほどから手前を狙っていた

N島さんの使っていた竿は2m程度のヘラ竿のような茶色に黒の縞模様、仕掛けはシンプルな唐辛子ウキの二本針だったように記憶している。餌は白い練り餌でプラスチックのポンプ(シリンジ)に入れて小さな粒にして振り込んでいた。

釣果については記憶が朧げだが、N島さんはクチボソよりも小鮒が釣れると喜んでいたように思う。釣れる度に川の中に沈めたビクに魚をしまい活かしていた。時々グルテンボウル(ねり餌を練るためのプラスチックのボウル)に魚を入れて見せてくれたりした。

僕が普段捕まえられる魚は2cmにも満たない小魚ばかりだったので、ボウルの中の10cmもある巨大な小鮒はまるで宝物のように見えた。おっかなびっくり観察し、そのような魚をいとも簡単に釣り上げてしまうN島のお爺さんはすごいなぁと思った記憶がある。


その後釣竿を渡してもらい、どうやって狙うとか、どんな魚がここにいるとか、どんな魚を釣ったことがあるとか色々な話を聞きながらフナの釣り方を教えて貰った覚えがある。


“鮒は魚編に付くと書くように、壁際や橋脚、葦際、水中の物陰に付いているからそういう場所を狙うんだ”というフナ釣りの定石を習ったのはこの時だった様に思う


この時はなかなか釣れなかったが、帰り際にやっと某かの魚が一匹釣れて喜んだ記憶がある。魚種は定かではないがN島のお爺さんが褒めてくれたように思う


これが僕の記憶にある初めての釣りであり、正しい釣りのやり方を教えて貰った最初の経験だったと思う。







先日、その場所に30数年ぶりに行ってきた。

村道にかかる小さな橋は、歩道付きの橋に変わっていた



穏やかな用水路の流れはコンクリート護岸化され、なおかつ暗渠化されていた


真新しい鳥居が目立つお稲荷様は当時は90度左を向いていたと思う。

見覚えのある道祖神は健在であった


暗渠の隙間から覗く水路は轟々と水が流れていた。これでは小魚はいられまい


この地帯の用水路は20年ほど前にコンクリート護岸化されていたのは知っていたが、実際行ってみるとあまりにも様子が異なっていて驚いてしまった。

周囲の田畑もなくなり、屋敷林も少し残る程度であった。用水路は整然とした無機質な暗渠になっていて、船着き場の名残りは欠片も残っていなかった。


”思い出の風景は思い出の中にしか無い”ことを再確認した。



自然環境は変わってしまっても、N島のお爺さんに習った釣りのエッセンスは僕の中にあり、僕が誰かに釣りを手ほどきすることで連綿と繋がってのだろう。

そうしていけば、いつか僕も誰かにとっての”忘れ得ぬ釣り人”になれるかもしれない。



短い人生の中で人と繋がって、誰かの中に自分の生きた証を少しだけ残していく。人間というのはそういう生き物なのだ。


近頃そんなことを思ったりする。

2021/09/08

2021年9月 秋の始まり 命の循環


仕事を休みにして昼間からぷらぷらと自転車で釣り歩いてきた


野のハギが咲いていた


田園地帯はいよいよ稲刈りが始まっており、一昨日までは満水だったホソはどこも減水していて魚っ気がなく、コンクリート護岸で整備された用水路は流れが早すぎて釣りにならない


人の利便性のみを追求した用水路には生き物の気配は少ない


なんとか釣れそうな場所はないかとホソを覗き込みながらウロウロして、たどり着いた公園の中を流れる細流に竿を出してみることにした

若干足場が高いため、近頃はあまり出番のない2.4mの述べ竿に持ち替えて
その場で仕掛けを結んで投入。深さは1mあるなし。針はいつもよりやや大きめの魚を想定して秋田狐の半スレ3号

最初はいつものタナゴグルテンで様子を見るが、どうにも反応が薄く手返しが悪いのでカバンに忍ばせてきたアカムシにつけ替えて再投入。

3投目あたりでヘチ際ギリギリに流したウキに僅かなアタリがあった

ウキの流れを見ていたらヘチ際で一箇所流れが巻いている場所を見つけたので、そこに仕掛けを送り込みながらアタリを待つ

流れに巻かれた玉ウキが僅かに震える。おそらくアタリなのだが練り餌ではなくアカムシなので即アワセではなく、数瞬待ってから手首を返す

ブルッ!というあまり馴染みのない引きを軽くいなして抜きあげると、クチボソのような細長い魚が付いていた。

クチボソにしては大きい針でよく釣れたものだと手に取って見ると細い体に黒い斑点模様が並んでいる…

お?これは珍しい魚が釣れたか?とマジマジと魚を見る。
口吻が突き出たウマヅラで、一瞬ツチフキやカマツカを期待したが…


人によっては見慣れないレア魚かも?




小物釣りをしない方にはあまり馴染みがないかもしれないが、何を隠そうこの魚ニゴイの幼魚である

ニゴイといえば全身銀色のぬぺっとした魚が思い浮かぶが、幼魚のうちはカマツカのような渋い柄が付いているのだ…擬態なのか何らかの理由があるのか面白いものである

大きいニゴイはあまり嬉しくないが、小さいニゴイはなんとなく嬉しく感じるから不思議である。

ホクホクしながら追釣を狙おうと用意をしていると、芝刈り機に乗った若者がこちらを見ていたので、“邪魔だったらどきましょうか?”と声をかけると“大丈夫です。あとここ釣り禁止なんです”と申し訳無さそうに僕の背後を指さした

まさかと思って振り向くと橋の欄干に「園内釣り禁止」という小さな標識が貼ってあった

“気付かなかった!申し訳ない!”と慌てて釣り道具をしまい、そそくさとその場を後にした。

その後同じ川を釣り下ったが、美味しそうな場所は何箇所かあったがめぼしい成果は得られなかった。




諦めて河岸を替えて、違う水路に移動した。この水路は普段魚っ気があまりないが、線路の架橋の下のみたまに釣りをしている人を見かける場所である

その場所は水路ながら澄んだ水のしっかりとした流れがあり、水面にはキクモや茂りセキショウモが緑のテープ状の葉をたなびかせていた。

橋の側で障害物によって流れが淀んだ場所に年配のタナゴ師がいて、ちょうど挨拶した瞬間にタイバラを一匹釣り上げていた

聞けばわざわざ隣の市から車で通っているそうである。しばらく情報公開をしながら水中を見ていたが、浅い水中でクチボソがヒラを打つのがよく見えた。今日は透明度が高いらしく釣り辛いとのこと


どこか竿を出せる場所はないかと更に下流に移動して、川の流れが90度曲がる地点に行くと、ここにも年配の釣り人がいた。

挨拶をしながら話をするとフナ狙いだということで、暫く釣りを見学させてもらった。

9尺程の延べ竿、ヘラウキに二本針の段差仕掛けで餌はバラケとグルテンという、正調のフナ釣りスタイルである

見てる間に次々とコイっ子を数匹釣り上げていてなかなか楽しそうであった。

釣り方のクセはヘラ師っぽいなと思って聞いてみると、やはり以前はヘラを釣っていたそう。

聞けば都内からわざわざ車で来ているそうで、それも週3回以上通っているという。病気で入院してからはヘラは辞めて小物釣りが増えたそうだ

しかし、同じ釣り場で話しかけた二人の釣り人がそれぞれ他の町から釣りに来ているという偶然。我が町は意外と釣りの穴場だったりするのだろうか……。



その後竿を出すことにしたが、いい場所が空いていなかったので期待せずに釣り始めたが小さなクチボソを見釣りで釣るという、個人的にはなんの面白みのない釣りになってしまった。

川底に見える魚を釣るのは釣趣に欠ける


透明度が高いおかげで泥底の中にいるカラスガイやドブガイの類が呼吸をしたり泥を吹き上げる様子が観察できて、これならここはタナゴが生き残れるだろうなと安堵した

帰り道の道すがら、行きがけに通った場所で気になるホソがあったことを思い出して覗きに行ったところ、若いタナゴ師が小雨の中で釣りをしていた。

このホソは水が残っていて、タナゴは一匹釣れたのみで他にクチボソが20のフナ少々とのことだったので、この地域のホソとしては平均的な釣れ方かなと感じた。

このタナゴ師は地元の方ということで、なんとなくほっとしながら帰路についた。

稲はたわわに実っており、収穫が始まっていた



用水路の減水から逃げ切れなかったフナが死んでいた




今年も秋が来た



2021/09/07

誰でも釣れる!?私的小物釣り講座(田園地帯のホソ、用水路編)2021年版

今回は身近な用水路やホソの小物釣りならだいたいこれで通用するんじゃないかなという仕掛けについて語りたいと思います

小物釣りって興味あるけど難しそう…とか情報が多すぎてどれが正解なのか分からないという方の助けになればと思います