釣り好きオジサンのパックロッド片手の電車釣行&地元の川釣り blog

2021/09/07

誰でも釣れる!?私的小物釣り講座(田園地帯のホソ、用水路編)2021年版

今回は身近な用水路やホソの小物釣りならだいたいこれで通用するんじゃないかなという仕掛けについて語りたいと思います

小物釣りって興味あるけど難しそう…とか情報が多すぎてどれが正解なのか分からないという方の助けになればと思います



僕が住んでいる町は都内まで電車で30分くらいの場所ですが、少し自転車を走らせれば田園地帯が広がるような場所です

子供の頃から田んぼの用水路やホソ(用水路から分岐して田んぼに水を供給するような側溝)で釣りを楽しんでいましたが、大人になってから再びやってみたら簡単に釣れて奥が深い小物釣りの楽しさにハマってしまいました

昔は玉ウキだけのシンプルな釣りをしていたのですが、小物釣りをして釣り歩いているうちに出会ったベテランの方々に色々とアドバイスを頂いたりしながら少しずつ仕掛けを工夫して現状納得のいく状態になってきました


※以下色々と長いので、具体的な仕掛けと結論だけ見たい!!!という方は一番下の5,結論まで飛ばしてください_(3」∠)_









1:小物釣りってどんな釣り?

一般的な定義があるか分かりませんが、個人的にはフナやタナゴやクチボソなどの体長5cmから15cm程度の小魚を狙う釣りだと思っています。

昔から楽しまれてきた釣りなので様々な流儀ややり方があると思いますが、今回は親ウキと糸ウキを使うタナゴ釣りの連動シモリ仕掛けを応用して、様々な魚に対応する釣りを紹介したいと思います。(流れのある場所の小物釣りはまた別に機会を設けて説明したいと思います)

小物釣りのベテランの中には親ウキや糸ウキ、針の手研ぎなど、市販品ではなく自作を楽しむ方も多い釣りなのですが、今回は入門用なので可能な限り市販品を利用して手軽にできるように紹介したいと思います

シンプルな仕掛けで簡単に誰にでも数釣りができて楽しい釣りですが、簡単でいて魚の生態を理解して釣りをすると一定の種類だけを狙って釣れるようになったりして、意外と奥が深く、マイクロな仕掛けで挑むために魚種による引き味の違いが楽しめたりします






2:道具立て

シンプルな釣りなので、竿、道糸、ウキ、オモリ、ハリス止め、針があればできます。逆にシンプル故にこだわるべきポイントがいくつかあって、そこさえ分かってしまえばオールマイティに釣れるようになります。

今回紹介する仕掛けは世界最小の釣りと呼ばれるタナゴ釣りの仕掛けを応用したものなので、タナゴ以上のサイズの魚ならなんでも釣れる感じの釣りです。要するにタナゴ釣りの外道を釣って楽しもうということですので、タナゴ釣り師からすれば邪道も良いところですが、先人が培った知恵や技術を利用すれば手軽に小物釣りを楽しめるため入門用としてはいいのではないかと思っています

釣りは魚の口に近い方から順番に気を遣うというのがセオリーですが、この釣りで特にこだわるべきポイントはオモリ(浮力調整)と針です

以下に僕が使っている道具、感じたことや拘っている点についてまとめたいと思います


竿

一般的に小物釣り用とされている竿。1m~1,8m程度の渓流竿や小物竿

渓流竿


小物竿

釣り場によって竿の適切な長さが変わります。ホソの際に折りたたみ椅子を持ち込んで座って釣る”エンコ釣り”ならば1m程度の短い竿、用水路の際に立って探り歩くなら1.8m程度の長さのある渓流竿を選ぶといいでしょう。

(僕のように)人目を気にしないならば、はじめは無理に小物竿を用意する必要はなく、渓流竿の穂先から3節程度を抜いて使えば1mほどの小物竿として利用できます。そういった意味では入門用には180cm程度の振り出し渓流竿を一本買っておいて、釣り場に慣れて何度も通うようになったらいい塩梅の長さの小物竿を別途購入すればいいと思います。

この釣りに関しては高い竿のほうがいいという事はありませんので、価格やデザインなど好みによって決めると良いと思います。(竿選びの基本ですが、実物を触ってみてから決めるのが大事です)硬調の竿の方がアワセを決めやすく、軟調の竿の方が引きが楽しめます

また近頃ではTIEMCOの幸釣シリーズなどズームロッドという複数の長さに調節ができる竿もありますので、そのような竿を用意すると使い勝手がいいかもしれません。(若干お高めですが3種の長さの竿を揃えるよりは安くあがります)


道糸

太くても1号未満のナイロン糸がよい。個人的なオススメは0.6~0.8号程度のもの

はじめは廉価なナイロン糸から始めましょう


小物釣りは繊細さを楽しむ釣りであるため0.5号以下の細い道糸を好む人も多いジャンルですが、個人的には細すぎると取り込みの際や魚が暴れた時、草に引っかかった時などに厄介なからまり方を起こしやすいため、0.6~0.8号程度の若干太い糸の方が安心感があります。釣りに慣れたら細い道糸を使うとまた違った世界が見えてくる…かもしれません

一口にナイロン糸と言ってもピンからキリまで価格の幅があります。特にヘラブナ用のものは高価で、その代わり性能が良いものが多いです。

一般的に高価格な糸のほうが同じ号数でも強度があったり、しなやかだったりと何かと良いことが多いですが、安い糸で釣れないのかと言われたらそんなことはないので、最初は永遠の定番である銀鱗などの手頃な糸から初めてみると良いと思います。上の写真のサンヨーナイロンのタナゴヤマベ糸もオススメ




ウキ

今回紹介するのはタナゴ釣りでメジャーな連動シモリ仕掛けという親ウキと糸ウキの組み合わせです。

親ウキという仕掛け全体を浮かせつつアタリを出すウキと、親ウキで拾いきれない微細なアタリを取る糸ウキを組み合わせたものです。


お買い得な発泡ウキ

斜め通しウキ

手作りの桐ウキ

淡水釣りの品揃えのいい釣具屋に行くと、タナゴウキのコーナーがあるのでそこで好みのものを選ぶといいでしょう。安いものでもそこそこ値段がしますが(一番上の発泡ウキで500円程度)職人手作りのものなどは3,000円以上するものもザラだったりします。
まずは安いウキを使って釣りに慣れてから、ウキに拘っていくと良いと思います。

タナゴ釣りの世界では斜め通しウキの方が感度や、仕掛けが絡まりにくいため優れているとされていますが、タナゴ仕掛けよりも若干太めの道糸で組む小物釣り仕掛けの場合はそこまで気にしなくてもいいと思います。

蛍光色のウキは視認性が高いので便利なのですが、一般的に水面が光ってるような順光の場合、黄色いウキは見づらいので何色か用意しておくとよいでしょう。
親ウキを購入する際の注意点としては好きなデザインのものを買ってもいいのですが、ウキ足のサイズを揃えないとウキゴムが適合せずに仕掛けごと交換することになるので注意しましょう。小物釣り用の場合はウキゴムはφ0.7mmが適合することが多いです


ウキゴムもお忘れなく



糸ウキ(ジンタンウキ)


大きさも色々あります

白は案外視認性が低いです


サイズや色は様々ありますが、水の濁り加減や光の加減で見やすい色や見えにくい色があります。蛍光色のものが見やすいですが、昼間は若干視認性が下がるので何色かセットした仕掛けを用意してあるとよいでしょう。市販品ではオーナー製が粒が揃っていて使いやすいかなという印象です。これもそこそこ良いお値段(2セットで500円程度)しますが、慣れてきたら意外と簡単に自作できるので作ってみるのも一興でしょう(手間賃考えたら買った方が安いかもしれませんが)
余談ですが、市販のジンタンウキを使い回すには、ハリスどめ部分を切った後に、道糸で
結びコブの小さいチチワを作り、その輪に次に使いたい糸を入れて移動させればある程度は移動できます。
ただ移動させるほどに固定が緩くなるので、何回か使いまわして緩くなったら買い替えましょう。手作りのジンタンは糸から糸への移動すると固定がゆるゆるになるので使い切りだと
思ってください
また、糸から糸に移動すると寿命が縮むため、例えば5尺の仕掛けを4尺に縮めて使い回すなど、同じ仕掛けを少しずつ詰めていく方が長持ちします

道糸にUVレジンの珠を作ってブラックライトで硬化させてから塗装します



オモリ

板オモリによる浮力調整がこの釣りのポイントの一つです

板オモリは厚さが数種類ありますが、薄いものの方が浮力調整がしやすいのでオススメです。
最初に書きましたが、この釣りのポイントの一つがオモリとウキの同調による浮力調整です。普通の釣りでおなじみの水面にウキが出ているトップバランス、タナゴ釣りでも定番のシモリバランスや、水面下で止まるゼロバランスなど対象や狙い方によって微妙に浮力を調整していきます。

魚は一般的に上から落ちてくるモノに反応しやすい傾向がありますが、シモリバランスはこの性質を利用して、ウキがゆっくり沈む(シモる)ように調整することでアタリを出やすくする浮力調整方法で、目当ての魚のいる層を狙って釣るイメージのバランスになります。(狙った層を維持するために頻繁な手返しが必要になる)
オモリの微調整で早めにシモるようにしたり、逆にごくごくゆっくりシモるようにしたりと様々な調整ができます。

また、連動シモリ仕掛けはウキの位置の調整が若干面倒なため、早めに沈むシモリバランスにすることで底を取るという使い方もできます。これは底に居着いてることが多いフナを狙うのに有効です。

ゼロバランスはウキの浮力を消す重さにオモリを調整することで、よりウキが敏感にアタリを拾いやすくなり、微細なアタリを拾いやすくなります。
トップバランスはウキの頭が水面に出ている状態ですが、これによって狙うタナを継続的に維持することができます


浮力調整のイメージ




ハリスどめ

タナゴ用のハリスどめを利用しています
タナゴ針を使うためにタナゴ用のハリスどめを採用してます


今回の仕掛けではタナゴ釣り用の針を流用しているため、一般的な自動ハリス止めだとタナゴ針用のハリスは抜けてしまう可能性があるため、タナゴ用のハリスどめを使っています
ハリス止めは身近な道具で自作もできますので、よかったらこちらをご参照ください


タナゴ釣り用の針を利用します。今回紹介する仕掛けのポイントその2です

小さくてかかりがいい針です

こちらもいい針です

バラ針の方が若干コスパがいいです

タナゴ釣り用の針を用います。テトロンハリス付きのものを購入して利用すると良いでしょう。各社から色々な種類が出ていますが、個人的にはがまかつの極タナゴとまるふじの別誂研ぎタナゴが好みです。(がまかつの極タナゴはこのジャンルに革命を起こしたといってもいい素晴らしい針なので一度は使ってみることをオススメします)

タナゴ用の針を使う理由は2点あって、小さいためかかりが非常に良いことと、同じく小さいため魚体への負荷が抑えられる点が優れていると思っています。小物釣りは釣って食べるわけではないゲームフィッシングですので、リリースする魚への負担は極力減らしたいため、この選択になりました。

これらの針を使うことで1cm程度のクチボソから10cm級の小鮒までなんでも釣れるようになります。難点は針が小さいためアワセが遅れると飲まれてしまうという点です。飲まれないように早アワセを意識していくと釣りの腕も上達します。

アワセに自信がない方、10cm級のフナが多い場所では袖針3号程の大きめの針にすると全体のキャッチ率は落ちますが逆に小さい魚を弾けるメリットもあります
上に写真で挙げているようなタナゴ針はこれまたいいお値段がするので、慣れてきたらバラ針を買ってきて自分で結ぶと安上がりになります


3:小物釣りのエサ

定番の練り餌、生き餌なら抜群のアカムシ、ミミズなど…

バランスと携行性に優れていて使いやすいエサです

グルテンの繊維がしっかりしているためエサ残りがいいです

昔から定番のエサなのでその力は実証済みです

どのエサにも長所短所があります
練り餌の場合は、携行性に優れる点、香り、バラケによる寄せ効果、コスパが魅力ですが、エサ持ちが悪いため、一投ごとなど頻繁なエサ付けが必要になります。逆にその餌持ちの悪さを利用して大きめにエサをつけて魚を寄せるという利用方法もあります

アカムシの場合は、魚側の視認性の高さ、体液による寄せ効果、エサ持ちの良さ、コスパが魅力ですが、生き物なので購入の手間、保存性、携行性に難があります(コップに水と一緒に入れて冷蔵庫にしまい毎日水換えすれば2ヶ月くらいは保ちます)

ミミズの場合はメリット・デメリットともにアカムシと同様ですが、小物釣りの場合は適度な大きさにハサミで切らないといけないため、若干手間がかかります
ちなみにフナは雑食ですが動物性タンパク質をかなり好む傾向があるため、アカムシのほうが釣れやすい気はします
個人的には最初に買うならマルキューのタナゴグルテンがオススメです。※タナゴグルテン競技用という商品もありますが若干クセがあるので普通のタナゴグルテンを買いましょう


4.釣り方

これが正解というものはないので自分のやり方を書きたいと思います
主にフナを狙う場合は底を取ることを意識し、タナゴやクチボソは底よりも少し浮かせることを意識しています。とはいえフナを狙おうとしていても仕掛けが底につくまでの間にクチボソが当たってくることも多いので正確に釣り分けるのは困難かもしれません。

季節によって魚のいるタナは微妙に変化します。フナで例えると冬は深場、春秋は底よりやや上、夏は中層、春のノッコミ(産卵)シーズンは一番浅いというように魚の生活環に合わせていく必要があります。深さのない用水路やホソの場合はそこまで意識しないでも大丈夫です。

釣りは場所が命です。魚のいない場所に仕掛けを入れても魚は釣れませんので、まず魚がいるであろう場所を探すことから始めます。この釣り方は基本的に流れの淀んでいる場所、止水での運用を前提としていますので、自分で用水路沿いを歩き回るか、グーグルマップなどの航空写真を見てアタリをつけて確認しに行きましょう。

実際に竿を持って何箇所も釣り歩いてみましょう。水辺に立って魚がヒラを打っていたらチャンスです。また、その際に先行している釣り人がいたら挨拶をして周辺の情報を聞いてみるのもいいかもしれません。

何度か繰り返し釣り歩いているとだんだん魚がいる場所、いない場所のイメージがつかめてくるはずです。そうなると釣り歩きの面白さが増していきます。

釣り場の例
田園地帯のホソ

小川

田園地帯の用水路

釣りのできる公園の池

このような流れの緩い釣り場、合流地点の
角など流れの中で水が淀んでいるところを探して、壁際や水草、藻の周り、水中構造物、いわゆるストラクチャー周りに仕掛けを入れてみましょう。練り餌の場合は最初はわざと大きめにつけて3回ほど打ち直して魚を寄せてみましょう。

ウキに反応があるようならば、テンションをかけない程度に糸を張り、すぐアワセられるように準備します。そしてここぞのタイミングで手首を使って小さく鋭く(5cmくらいの動きのイメージです)アワセてみましょう。大きくアワセを入れてしまうと仕掛けが絡まったり、想定外のところに引っかかったりして難儀します
アタリの出方は様々ですが、ウキの流れに違和感がある時はとりあえずアワセてみて、それを繰り返すうちにアタリの感覚がつかめるようになると思います

ホソや用水路、田んぼの周辺は私有地であることが多いので、農家の方がいらっしゃったらしっかり挨拶をして、お邪魔させてもらっているという気持ちを忘れずに釣りをさせてもらいましょう
絶対にゴミや、ましてや外道だからといって魚などは捨てていかないこと。来た時よりも綺麗にするくらいのつもりでいましょう



5.結論

以上をまとめると
道具は
竿:1.8m程度の振り出し竿または1m程度の小物竿
道糸:ナイロン0.8号
ウキ:タナゴ用親ウキ+糸ウキの連動シモリ仕掛け
オモリ:板オモリ
ハリスどめ:タナゴ用ハリスどめ
針:タナゴ用ハリス付き針
エサ:練り餌またはアカムシ

釣り方は壁際やモノの周辺の物陰などを狙う

仕掛けを図にすると…


仕掛けの全長については、定番の竿尻いっぱいから、タナゴ釣りのようにウキとの間の遊びを少なくする提灯釣り状態、足場が高い場合は広く探れるように竿尻よりも仕掛け全長を長くするなど色々ありますが、まずは定番の竿尻いっぱい~気持ち長めから初めてみるといいと思います(糸ウキの項にも書きましたが、長い仕掛けを縮める事はできても短い仕掛けを伸ばすことはできないので)


上から記事を読んでみたけどイチから仕掛け全部揃えるのはめんどくさいよ!という方は市販のタナゴ釣りの連動シモリ仕掛けを利用すれば全く手間なく始められますので、最初は出来合いの仕掛けを購入するのが楽だと思います。
市販仕掛けは慣れてくれば気になる点が出て来ると思うので、気になった部分を一つずつ買い足して替えていけば効率的です


仕掛けを一つ買えば、仕掛け巻きとウキが1個手に入ると思えば案外安く感じるかも?



この仕掛けで釣れる魚は
マブナ


タナゴ


クチボソ


オイカワ


ブルーギル

チチブ

その他にコイっ子、ナマズの子、ザリガニ、テナガエビ、モクズガニ、ミドリガメなど様々な魚や水生生物が釣れます












”小物”と一言でまとめがちですが、実際に釣ってみるとフナはまるでタイのような下に突っ込む走り方、クチボソはサバのような横走りなど様々な引き味が楽しめます。細い仕掛け、細い竿で釣りをするとその力強さを一層感じられるようになるので、慣れてきたら細仕掛けに替えていくのも良いと思います。

釣ってみるとフナの柴犬のような愛らしさや、こんなところにも魚がいるんだ?!という驚きに出会え、身近な自然の豊かさを感じられる釣りですので、是非チャレンジしてみてください




僕の小物釣りの動画もよかったら見てみてください




にほんブログ村 釣りブログ 小物釣りへ
にほんブログ村

0 comments:

コメントを投稿