蒸しパンを使って小物釣りをしてみて気がついたことが色々あったので、その感想です
普通においしそう |
ナゼ”蒸しパン”なのか?
そもそもなぜ蒸しパンで釣りをしようなどというトンチキなことを思い立ったかというと、先日つり人社オンラインのタナゴ釣りの記事を読んでいたところ
タナゴ釣りのベテランが自作エサを作る際にチーズ蒸しパンを利用しているという記事を見かけたからです
以下本文引用
"魚を寄せるには、寄せる成分そのものがすぐれていることに加えて、水中でより広くエサが拡散するバラけぐあいも必要。かといって、ただサラサラと拡散するだけではハリに最後にタナゴに食わせるエサが残らない。成田さんが使いやすいエサとそうでないものの差を大きく感じる部分もここにある。そのほか、基本的には手にベト付きやすいグルテンエサは若干の油分を与えてやると扱いやすくなる。マヨネーズを混ぜる人もいるが、成田さんが使用しているのはコンビニなどで手に入る菓子パン(チーズ蒸しケーキ)だ。"
つり人."タナゴ釣り/グルテンエサの使いこなしを名人に聞きました".つり人オンライン.2016年12月8日.https://web.tsuribito.co.jp/seasonal/tanago-narita.(2022年3月27日閲覧)
とまあ、ベテランの人もエサ(の一部)に利用しているなら釣りに使えなくはないんだろなと思い、ついでに蒸しパンならグルテンエサに混ぜるまでもなくそのまま針につければ釣れるんじゃない?とあまり深く考えずに蒸しパン片手に釣りに出かけました
実釣編
やってきたのは最近小物釣りで足繁く通っている池
天気は薄曇りで気温も高くてなんとなく釣れそうな雰囲気です。いつもの小物汎用のシモリウキ仕掛けを準備しました
仕掛けの詳細など普段の釣りの様子はこちらの記事を参考にしてみてください
後で食べましたがあんこ入りで普通に美味しかったです |
今回用意したのはファミマで買った”よもぎ香る よもぎ蒸しぱん(税込み138円)”です。春の香り。
記事にあった通りのヤマ○キのチーズ蒸しパンを用意しようかなと思ったのですが、たまたま寄ったコンビニに蒸しパンはコレしか見当たらなかったのでコレをチョイスしました
一応ヨモギの香りでも魚を寄せられる可能性があるんじゃなかろうかと愚考した結果のチョイスだったりします
いつも愛用している小物釣りの万能エサ、マルキューのタナゴグルテンは糖分と甘いイモとニンニクの香りが僅かに混ざった複雑な香りがしますが、よもぎの香りでも似た効果があるんじゃないかな?と期待してみたり…
実際に使ってみた
いつものグルテンエサと同様の使い方で使おうとして気がついたのは、まず針に引っかかりにくいということ
グルテンエサだと針をエサに押し付けてスッと引き抜くと針先にエサが乗るのですが、蒸しパンは何回か繰り返してやっと小さな破片が針先に乗ってくる感じでした
次に仕掛けを打ってみると、すぐにアタリが出たのですがアワセて仕掛けを上げると、針先にエサが残っていません
このエサの残り加減を"針持ち"と言います。針にエサが残りやすいものを"針持ちが良い"という言い方をしますが、蒸しパンは非常に針持ちが悪かったです
針持ちの悪さ自体は、例えばその特性を利用して仕掛けを狙った場所に打って魚を寄せるという考え方もあるので一長一短ではあるのですが、秒単位で頻回にアワセを入れる小物釣りにおいては針持ちが悪いのはあまり喜ばれない要素です
とはいえ、アタリはあるわけですからアワセさえ合えば釣れるはず…
エサの特性をふまえて前アワセ気味にしていくと、なんとか一匹釣り上げることができました
そういう意味ではスリリングな釣りになって面白いのですが、わざわざ自分から釣りの難易度を上げている感じだな…という印象を持ちました
途中で練ってみたらどうだろう?と思い、蒸しパンを練ってみるとフワフワだったパンがギュッと小さな塊になってしまい余計に針に乗らなくなりました(当たり前)
これでは釣りにならないので水を含ませてみたところ、あっという間に水を吸ってドロドロの糊状になりました
この糊状になった蒸しパンは本当に難儀で、軽くゆすいだくらいでは手のひらから全く落ちる気配がありません
昔々の少年時代に川釣りの定番だったおかゆポンプでチビチビと使うおかゆエサとほとんど同じような状態で、若干のノスタルジーを感じたりしました
諦めずに針で糊状になった蒸しパンをすくい取って仕掛けを打ってみましたが、この状態になってもアタリは出るのですが針持ちは悪いままでした…うーん…
が、粘り強く釣り続けていると…
一応蒸しパンにもポテンシャルはあると思うんだよなぁ…
結果
そんなこんなで30分ほどやってみたところ
蒸しパンでクチボソ3匹、フナ1匹を釣り上げることができました!
思ったより釣れたような、思ったより釣れなかったような…?
※この後タナゴグルテンで釣りしたら3倍くらいのぺースで釣れたので、専用エサの威力はさすがだなと感じました。すごいぞマルキュー
結局タナゴグルテンしか勝たんのよ…
感想
実際に釣りを終えてから、改めてはじめに引用したつり人の記事を読むと、なるほどと思うところが結構ありました
記事に書かれているタナゴ釣りのエサのポイントを要約すると
①魚を寄せるバラケ能力
②針持ちを良くする繊維質
③手でベタつかない脂質
の3点が挙げられます
蒸しパン単体だと、寄せ・バラケ能力はあっても繊維質と脂質がないため、針持ちがせず、また手にベタついて手捌きが悪いのです
それらを補うためにヘラ用のグルテンエサ(イモの繊維質)やチーズ蒸しパン(脂質が入っている)を入れるわけですね
今回の釣りを通じて感じた蒸しパンのエサとしての問題点、足りない要素とはからずも同じ結論になりました!
いや、初めからそう書いてあるじゃないか!(説明書をちゃんと読まないタイプ)
…ということで、蒸しパンを小物釣りのエサにするのは、エサを忘れた時の緊急避難的な使い方は可能ですが、それ単体で用いるのは若干難しいという結論になりました。
蒸しパンで全く釣れないわけではないので、本格的なエサを購入するほどでもない時や出先で急に釣りがしたくなった時などには便利かもしれません。
でも個人的にはエサを忘れたら素直にお家に帰ったほうが幸せへの近道だと思いました。
後日追加で検証してきましたが、チーズ蒸しパン単体は脂質が強すぎてまとまり辛いので、よもぎ蒸しパンよりも釣りにならない感じでした…残念!
メリット・デメリット
最後に蒸しパンを小物釣りのエサとして使う場合のメリット、デメリットと改善案をまとめてみたいと思います
メリット
・入手性がいい
・視認性がいい(緑のよもぎ蒸しパンに限る)
・食べられる
・おかゆエサの代わりになるかも
デメリット
・エサが針に乗りづらい
・エサの針持ちが悪い
・練ると手にこびりつく
改善案
・グルテンエサ(繊維質)を混ぜる
・脂質を足す
グルテンエサの定番といえばマルキューのグルテンワン、グルテン5、野釣りグルテンあたりが挙げられるでしょう
いずれも繊維質が多めで針持ちが良いのが特徴で、グルテンワンよりはグルテン5の方が繊維が長い感じ、野釣りグルテンは1.5倍くらい強いグルテンワンみたいな感じです(使えば分かる)
脂質はチーズ蒸しパン以外だとマヨネーズを足す人が多いようです。
実際釣り場にコンビニなんかで売っている小さいマヨネーズを持参してるタナゴ師をたまに見かけます(一瞬理解が追いつかなくてびっくりします)
つり人で紹介されていた名人はグルテンワンとグルテン5、野釣りグルテン、凍らせたチーズ蒸しパンをすりおろしたものを等量で混ぜて、さらにグラニュー糖を加えてエサを作るそうです
このバランスを見てなんとなく思うのはタナゴグルテンを構成する要素とほとんど同じだなということ(名人のほうが若干ニンニク感と繊維が強そう)
実際使ったわけではないので成分を見ての想像の範囲ですが、これは確かに釣れそうです
それにしても、その道の名人と呼ばれる人が経験則から割り出したエサのバランスに近いものが既製品で買えてしまうんだから便利な世の中ですよね
最後に
なにはともあれ、小物釣りに使うならバラケ、寄せ、針持ちのバランスが取れたマルキューのタナゴグルテンが一番手っ取り早く、万人に勧められます。
とりあえず小物釣りを始めてみたいという人は蒸しパンは美味しく食べて、タナゴグルテンを買って小物釣りを楽しみましょう!(そんなオチか)
結局タナゴグルテンしか勝たんのよ(二度目)
釣果はともかくとして、意外と身近な食材でも釣りエサになることが分かったのは面白かったです
いろいろと工夫のしようがあるし、それが釣果に結びつくならなかなか興味深い分野ですよね
こういう材料を使っているとか、このエサが良いみたいな耳寄り情報があったら是非教えて下さい
蒸しパンを使った自作エサの道は今後リベンジしてみたいと思います
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