釣り好きオジサンのパックロッド片手の電車釣行&地元の川釣り blog

2021/05/26

2021年5月 梅雨の走りにテナガエビの影を追う

2021年 5月26日 曇りのち晴れ 大潮(満潮 04:07/干潮 11:03)




皆さんはテナガエビ釣りをしたことがあるでしょうか?


僕は子供の頃に家族で水元公園でテナガエビ釣りをした記憶があります。針に乗るとビンビンビンッと元気のいいアタリがあって結構楽しかったように記憶しています


一昨年釣りを再開してから、あの引きをもう一度味わいたくて近場でテナガエビが釣れる場所はないものかと探していたのですが、いわゆるメッカと言われている場所は、多摩川だったり岩淵水門だったり国府台だったりと微妙に自宅からアクセスが悪い場所が多く、行きたいなあと思いつつちょっと腰が上がらずにいました


今年、改めて近場で釣れる場所はないものかと調べてみると、意外と荒川の河川敷で釣れるということが分かり、それなら近いし行ってみるか!と重い腰を上げて行ってきました。


今回は、初場所初魚種初挑戦のテナガエビ釣りにチャレンジしてきた記事になります


  • 準備

事前にネットで調べたところ、テナガエビは荒川護岸でゴロタが入っているところならどこでも釣れるらしいというのは分かったのですが、具体的なポイントがわからなかったため、グーグルマップの航空写真とにらめっこして釣れそうな場所を探しました。

荒川で釣りをする場合の問題は、荒川の河川敷は護岸際に出るまでに大体どこでも20mくらいの藪があり、護岸際に出るまでに藪こぎをする必要があるという点で(実際はグラウンド裏や橋の下などすぐ護岸に出られる場所もあります…)

なにせ案内もなく初めての場所にいきなり飛び込むので、航空写真を何度も見返してアクセスできそうな場所を選んで、当日どうしてもダメそうだったら藪のない橋の下から護岸に降りて、ゴロタの側に回り込もうと決めました(最初からこの選択をしておけばよかったと後悔することになりました。


  • 当日

当日は朝5時に家を出て電車に揺られ、西新井駅でレンタサイクルを借りて目的地に向かいました。

Hello Cyclingというレンタサイクルサービスで、15分70円、12時間まで1,000円で利用できます




絵に描いたような清々しさ


途中でコンビニに寄りつつ、駅から大体30分程度自転車を漕いで6時半に現着しました。荒川河川敷はまあ広大で気持ちのいい景色が広がっていました。


事前に航空写真で見た、おそらく”原住民”の方が作ったであろう獣道の入り口を見つけて、藪こぎしながら分け入っていきましたが自分の背よりも高いアシを踏み分けても踏み分けても護岸に直接出ることは出来ず、三回ほど出たり入ったりをして時間と体力を浪費して、諦めて橋の下から護岸に行くことにしました。(判断が遅い

藪こぎの証 ※植物です

橋の下から回ってやっと護岸際に出られたのが大体7時半で、まずは橋の真下で始めてみたのですが大潮の下げ3分くらいで橋脚周りは流れの勢いが強すぎて全然釣りにならなかったです。

仕掛けを変えたり竿の長さを変えたりと色々四苦八苦しましたがどうにもならず、ふと下流側を見ると下流にある橋の下に釣り人が見えたのでそちらに移動してみることにしました。


釣りをしていたのは70代くらいの日焼けした方でした。

いつもどおり先行者に挨拶しつつ情報収集

・今日は大潮だから釣れないね~いまのところ2匹釣れたよ

・今見えてるゴロタ帯の真ん中より下流側に何故かエビは多くいるよ

・オモリは?(橋の下用に重くしてたのを見せた)重すぎだよこれじゃ。もっと軽くていいよ。

・針何使ってるの?(エビ針2号)小さいねえ!外すの大変だよこれ!僕らはこれ(秋田狐5号)使ってるけどコレだと飲まれなくて外しやすいからいいんだよ

・潮の加減は分からないけど、釣れるタイミングはまとめて釣れるから粘ってみるといいよ

・エサはアカムシ使ってるなら多分大丈夫だよ

・初めてなの?まあ釣れるから頑張って。岩の陰を狙うんだよ


と色々アドバイスを頂きました。

ゴロタ帯は橋の下と違って流れが消されて穏やかになっているので、たしかに軽いオモリでも行けそうです

とりあえず竿を2本出してみました


本日の仕掛け テナガエビ釣り汎用仕掛け

竿:1.8、2.4、2.8mの竿3本

道糸:ナイロン1.2号

ウキ:タマウキ4号と3号(目印なのでサイズにコダワリなし)

オモリ:中通し0.5号orガン玉3B

ハリスどめ:タナゴハリスどめ→オサノン完全ハリスどめ 小小

針:オーナー エビ針2号、マルフジテナガエビ針2号(共にハリス付き)3cm程

エサ:アカムシ


・実釣

大人になってから初めてやる釣りで、勝手がわからないので見様見真似でとりあえず岩の陰になっている場所に仕掛けを入れてから釣り座の設営をしました。

※この日は大潮で朝4時が満潮で、護岸がズブ濡れだったため、百均の園芸用シートを敷いてその上に荷物を置いて事なきを得ました。

園芸シートは釣り座を作るのにいつも持ち歩いているものですが、簡易ながら防水性があるため結構オススメです。普段は河原の砂地に敷いて荷物が砂まみれにならないようにしています


事前に調べてきたのですが、テナガエビの釣り方には大きく分けて2種類あり、ウキ釣りミャク(聞きアワセ)釣りがあります

仕掛け自体はどちらもあまり変わらないのですが、ウキ釣りはエビにエサを持って行かせてじっくり待って食べ始めたところでアワセて釣る釣り方で、ミャク釣りはそっとアタリを聞いて、反応があったらアワセるか、追い食いさせてからアワセるといった感じの釣り方です。

ウキ釣りのほうがウキの動きを見てやり取りする面白さと、しっかり食わせられるのでバラしにくくなり、ミャク釣りの方が手返しが良くなるのでハマれば数が出るといった印象でしょうか。

どちらの釣り方でも竿を複数本出すのですが、ミャク釣りの場合は大体1分から1分半周期でアタリを聞くので、一本アタリを聞いて反応がなければエサを確認、またはエサを付け替えて次の竿を聞くというローテーションで大体1分ずつで回せるので、待ちの釣りながら暇になりすぎないという利点があるなと感じました。(僕のようにせっかちな人に向いてます😅)

またテナガエビは基本的に群れているものらしいので、釣れたポイントにどんどん仕掛けを集中させて行くとより数が出やすいという利点もあるようです

もちろん竿を複数本出すと手前祭りになるリスクもあるので最初は2本竿を出してみて、慣れたら増やすくらいがいいんじゃないかなと思いました。


そうこう妄想しながら釣りをしていると、先程挨拶した先客のお爺さんが様子を見に来ました。

釣り談義に花を咲かせつつ、ふとウキを見るとウキが見えなくなっていました。

そっと竿を上げて聞いてみると


ビビビーンッ!!!


とアタリがあります!


あ、これエビだ!!と竿を上げると…


”ハサミを持っててやるから記念撮影しな”と言われました(トゥンク

大体30年ぶりくらいに釣ったテナガエビです!デッカい!!

お爺さんにアドバイスのお礼をすると、”釣る人はここらで一日50匹は釣るから!頑張って”と応援されました

Green Crayfish


実際に手にしたテナガエビは記憶していたよりもずっとデカくて異形でカッコイイ!引き味も独特のキックがあって面白いです!(しかし現地着いてから最初の一匹釣るまでに2時間つぶしているというこのグダグダ加減…

一匹釣れればあとはこっちのものと、竿をもう一本増やして爆釣を目指します!


小さめサイズ

当然ダボもいる

お腹に卵があるビッグママや

若エビなど

一度要領が分かってしまえば結構簡単な釣りです。針外しのときにハサミで挟まれて邪魔されるので、腕を押さえながら針を外すようにすると手返しがよくなります


事前に調べたところ、一般的にテナガエビ釣りに向いている潮回りは潮位の変化が少ない小潮や長潮で、大潮は敬遠されることが多いとされていました。

個人的には、エビは酸素大好きだし潮が動いている方が酸素量が増えてエビの活性自体は上がるんじゃないかなと思って来てみたのですが、なるほど大潮だと狙っているポイントが引き潮でどんどん沖にズレて行くので、いい場所を見つけてもすぐ狙えなくなるという点で難しさがあるなと感じました。



  • 閑話


大活躍の洗濯バサミ


事前に調べた事で特に役に立ったなと思ったのが、竿の持ち手の部分に滑り止めシートを切って巻きつけることと、竿に洗濯バサミをつけることでした。
ゴロタ場のテナガエビ釣りは上の写真のようにゴロタの間に竿を置くため、竿が安定せず滑りやすくなります。
そこで竿の持ち手に滑り止めシートを巻きつけ抵抗を増やしたり、洗濯バサミを止めて支点を増やすことで竿が岩の間で転がらなくなるので、様々な角度に竿を置くことが出来て便利なのと、竿が傷つくのを防ぐことが出来ます。

必ずやらないといけないことではないですが、少しの投資で効果があるのでやっておいて損はないかなと思いました。(僕はハゼ釣り用のちょっといい竿で来たので余計そう感じました)

先行者のお爺さんも”テナガ釣りに使う竿は高い良い竿じゃなくて、中古で1本300円くらいで売ってるような安いヘラ竿が向いている”と言ってましたが、たしかにその通りかもしれません。
”釣りは汚れても良い格好でやる”とは昔から言いますが、ゴロタ場のテナガエビ釣りの場合は”汚れてもいい竿”も大事かもしれません



JSYのアカムシはたっぷり入っているので2回は余裕で遊べます


ミャク釣りをやっていて気がついたのは、アカムシの付け方の差の重要性で、一般的にはテナガエビのエサ付けは頭のチョン掛けでいいとされているのですが、チョン掛けだとエサだけ持っていかれることが結構多くありました。テナガエビ、意外とエサ盗むのが上手です。
途中から通し刺しとチョン掛けのどっちがいいか比べてみたのですが、通し刺しの方がフッキング率が上がりました。
アカムシの通し刺しは若干めんどくさいですが、慣れれば簡単にできるようになるので特にミャク釣りで聞きアワセをやる場合はこちらのほうがいいかもしれません。釣りながら挑戦してみてください。


ただ、丁寧にエサ付けしたときに限って…
お呼びじゃない

君たちじゃないんだよなぁ…


ダボハゼの餌食になったりするので、悩ましいです

経験則で考えると、ハゼの類は上からゆっくり落ちてくるエサへの反応が良いので、あえて仕掛けをゆっくり投入しない、一度入れた仕掛けを少し浮かせて横移動しないなど、ハゼ釣りのセオリーの逆をやるのがいいのではないかなと感じて試してました。(それでも貪欲なので食ってきますが)

テナガエビよりもハゼの方がエサに対する反応が早いはずなので、エビが潜んでそうな良いポイントを攻める時はまずはチョン掛けで仕掛けを入れて、ダボの皆さんを釣って散らしてから、じっくりと通し刺ししたアカムシを投入してテナガエビを狙うのが効率的なのかもしれません…



平日とはいえ、荒川を経由してマリンスポーツに出かける船が結構往来していて、その度に曳き波で水が濁るのですが、意外とそのタイミングで食ってくることがあって、面白いなあと感じました。
一荷じゃないよ


曳き波が立ってゴロタにぶつかるとあっという間に水が濁って水中は暗くなるわけですから、警戒心が下がるのかもしれません(またはエサが舞うから出てくるのかも?)
ただ、曳き波があるときは仕掛け同士は離しておかないと上の写真のように手前祭りしたりもするので注意が必要です(ついでに自分の足元も濡れます)


釣られるなよ、俺以外のヤツに…


何度目かの曳き波のタイミングでまさかのウナギの稚魚が釣れました。あまりの可愛さに思わず連れて帰りたくなりましたが、今回は逃しておきました



今回特にやってみないと分からないなーと感じたのは、このゴロタ帯で一番使いやすく、数を釣ったのは2.4mの竿だったのですが、次によく釣れたのが一番短い1.8mの竿だったことです。

このゴロタ帯で、同じ釣り座から仕掛けを振り込んだ場合、2.4mの竿だと丁度いい岩陰に入ることが多かったのですが、1.8mではかなり振り込んでやっと2.4mのポイントの手前の波打ち際のような激浅エリアに入る感じで、若干捨て置いてる感じになっていました。ところが意外とそういう場所に大きいエビが居たりして、結構コンスタントに釣れました。

狙い所に見えている大きな石の周りの明らかな影以外にも実はエビが隠れている場所があって、それが案外浅い水際近い場所だったりするというのは面白い発見でした。

竿の長さに関わらず、一本は波打ち際を狙ってみるというのは選択肢としてアリなのではないかと感じました。

2.8mの竿は潮が引くまでは良いところを攻めれて重宝したのですが、潮が引いてからは少し長さを持て余しました。

本日のビッグワンも激浅エリアから登場

あとで写真を見比べても、2.8の竿は長さを持て余しているのが分かります



そんなこんなで、12時過ぎくらいからアタリが少なくなり、13時前にはパッタリとアタリがなくなったので納竿しました。


テナガエビ釣りは釣り座をどっしり構えてのんびりと釣るイメージがあったけど、実際やってみると数を伸ばすためには美味しい岩陰を求めてランガンが必須になるので、結構忙しい釣りでした。

溜まってる場所を探してランガンをするスタイルはハゼ釣りと通じるが、ハゼ釣りと違ってエサ付けのシビアさがあるので難易度はテナガエビのほうが高いかもしれないと感じました。

でも新しい釣りをイチから手探りでやるのはとても楽しかったです!次にやるならもっと手際よくやりたいなあ…




  • 本日の釣果


テナガエビ 22匹(一部抱卵個体や小さいエビはリリースでカウントせず)
ダボハゼ 10匹以上
ウナギ 1匹

ナウ泥抜きーイング




泥抜き2日後

一日2回水換えをしながら3日泥抜きをしました。



  • 調理:テナガエビの唐揚げ

テナガエビの唐揚げ


  1. ボウルにエビを移してからザルをかぶせて日本酒をヒタヒタになるくらいに入れて締めます。
  2. 10分放置してからザルにあげて、粗塩をふりかけてザルを振って汚れを落とし、水で流します(手で揉んでもいいのですが、トゲトゲしているので刺さるかも)1回でもいいと思うのですが念の為2回やりました。
  3. 水を切ってからキッチンペーパーにあげて、水気を拭き取ります
  4. 適当な袋に移して、大さじ一杯程度の片栗粉を入れてシャカシャカ振って薄衣をまとわせます(衣をつけることで油ハネを抑えることが出来ます)
  5. 180℃に熱した油で揚げます。2分程揚げて揚げる音が小さくなったら(水気が飛んだら)皿にあげて、塩を振ったら出来上がりです


カラッと揚がって香ばしく美味しかったです。小さい個体はさっくり、大きい個体はしっかり身に肉があってジューシーな味わいがあります。腕は食感が違っているので変化があって楽しい食材だと思いました。
何匹かいた抱卵個体は卵が若干泥臭さがあったので次回以降は全部逃がそうと思いました。


  • 今回思ったこと


・針外しなどにピンセットが必要と言われていたが、実際結構使うシーンがあるので忘れずに持っていくと良い(個人的にはエイトノットをピンセットでやることが多いので、あると重宝する)

・ゴロタ場では根がかりが多いため替え針は多めに必要。また簡単な根がかりが頻発するため針先が鈍りやすい気がするので、針先はこまめに気をつける(というか、アカムシに刺さりにくくなったら変えると良いだろう)今回は1釣行で仕掛けロス4回、針交換11回。慣れればロスは減るとは思う

・エビ針と手長エビ針のどちらがいいか問題(事前にアマゾンで買ったところエビ針はタナゴでいう三腰型、手長エビ針はタナゴでいう新半月型(秋田狐)に近い形だった)
外しやすさやフッキング性など諸々の使い勝手はエビ針の方がいいと思った。なぜか手長エビ針ではダボハゼ率が高かった(細軸で軽いため潮の動きで浮くためか?)手長エビ針を使う場合はもう少し号数を上げたほうがいいかも?
左が手長エビ針、右がエビ針(共にOWNER)

・オモリは誘導と固定の二種を用意したがどちらが特に優れているというのはなかったように感じる。ロスト率はオモリのシルエットが大きくなる分誘導の方が多かったかも?(ガン玉はペンチで潰して太鼓型にしてあった)

・ミャク釣りはオモリをわざと重くして、その場で食わせるというのがキモらしい(エビのペースで釣りをするのではなく、こちらのペースにエビを合わさせる)ので、誘導オモリは向いてないのかも。先行者のお爺さん(ミャク釣り派)は中通しの後ろ3cmくらいにガン玉を打って半誘導にするといいと言っていた(試してみたけど根がかり率が上がる気がするからなんともかんとも)

・ハゼに使っているPEラインを使った仕掛けを持っていった。PEは当然ながら根擦れするゴロタ場には向いていないが、糸が派手だと複数本竿を出した際に糸の場所が分かって手前祭りを防げるという意外な利点があった。
Location: 日本、東京都足立区

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