ハゼは釣って楽しく食べて美味しい、釣りの王道を味わえる魚です |
僕が20年ぶりに釣りを再開したのは、秋の足音が聞こえてきた9月の半ばに
不意に「久々にハゼの天ぷらが食べたいなあ…」と思ったのがきっかけでした
子供の頃、祖父にあちこちに釣りに連れて行って貰ったのですが
特に子供でも簡単に釣れるハゼには釣りの楽しさや自分で釣った魚を食べる喜びを教わり、釣りを好きになるきっかけを与えてもらったなあと感じています
そんなこんなで近場でハゼが釣れるところはないかなと検索してみると
なんとスカイツリーのお膝元で釣れるというじゃないですか!
アーバン感溢れるロケーションも面白いし、家からもわりと近い!足りない釣具はアマゾンで注文して、やってきました北十間川!
見下ろせば北十間川 |
まさにスカイツリーのお膝元にいい感じの川が流れています
北十間川は旧中川と隅田川を結ぶ川(運河?)で、ハゼ釣りのメッカとして知られる小名木川の北側にほぼ平行に走っている川です
この北十間川と小名木川を南北に結ぶのが横十間川で、横十間川と小名木川の合流地点が、ハゼ釣りマニアにはおなじみのクローバー橋ですね
旧中川、隅田川、横十間川と北十間川が繋がる河川を見れば、都内の運河でハゼ釣りをする人ならきっと「ああ、ハゼいるだろうなあ」と感じること請け合いです(?)
北十間川は駅から徒歩3分という好立地で、周囲にはコンビニ、ゴミ箱、公衆トイレも完備されており川沿いにベンチがあり、荷物を置いてのんびり釣りをすることもできます
川は柵で囲まれているため安全性も高く、噴水によって流れに変化もあり、急に雨が降っても橋の下で釣りができるという実に理想的な釣り場です
下調べはしていたのですが、実際に行ってみると川沿いの歩道はこまめに清掃されており正直釣りしていいんだろうかと思うくらい素敵な場所です
さておき、
20年ぶりに引っ張り出した2.7mのグラスの延べ竿に道糸ナイロン1.5号、ハリス0.6号の袖針5号、オモリ1号の胴付き仕掛けでミャク釣りをしてみました。
餌はネットで調べてボイルホタテをチョイス。
投入と同時にブルブルッという元気なアタリがあるのですが、どうしてもアワセられません
…というか久々の釣りすぎて魚のアワセ方を忘れていまして、ハゼに対して思いっきりアワセを入れて仕掛けが宙を舞う始末…お恥ずかしい
近くで釣りをしている人の動きを参考に手首を返すようにアワセを入れて
やっと釣り上げたのは7cmほどの小さなハゼ
約20年ぶりの再開です |
久々の釣果に感動しつつどんどん釣っていこうとしましたが、初日は型の小さい子ばかりであまり釣果も伸びませんでした
近くで釣りをしていたベテランの風格漂うお爺さんに聞くと
・上流の橋の下あたりは型がいい
・ハゼは口が大きいので針は7号くらいでいい
・餌はイソメのほうが残るので手返しが良い
とのこと…なるほどなるほどとリベンジを誓いつつ納竿
初日は20匹程度の釣果でしたが、久しぶりに釣りをした充実感、達成感と満足感がありました。…そして、僕の錆びついた釣り魂に火が着いてしまいました
ここから僕のハゼ釣り研究?と北十間川参りがはじまり
来る日も |
来る日も |
来る日も |
生活の合間合間に少しの隙を見つけては、いやむしろ隙を積極的に作り出しては川に通い、ハゼ師匠に釣りのイロハを叩き込んで頂く日々
釣りに行く度にトライアンドエラーを繰り返して
釣り方を変え、道具を変え、糸を変え、餌を変え、潮目を変え、時間を変え
段々と自分の中での方法論が出来上がってきて
徐々に |
釣果が |
伸びて |
来ました |
こんなゲストも釣れたりして |
サイズもある程度意識して狙えるようになり
釣果も40、60、70と徐々に伸びて行き、ついに一束釣りが出来るようになりました…
改善策がハマる時の気持ちよさはもちろん、逆に釣れない時も釣れない理由を考えて、色々試して、魚と答え合わせをするというやり取りが本当に楽しかったです。
いやぁ、釣りって本当にいいものですね…
しかし、10月も下旬になると徐々に水温が低下して、師匠達の反応も薄れてきてシーズンの終わりが訪れました
また来年、師匠と一年越しの答え合わせをさせていただこうと思います
(地元の方に言わせると一年中釣れるそうですが…)
僕がこの釣り場で見出した自分なりの方法論としては…
・針は袖針3号がベスト
5号以上はスレた大型のハゼに警戒されやすい気がします 2号では針が小さすぎて餌がつけにくいのと針を飲まれた時に針が折れることがあるので僕は3号くらいが使いやすかったです。ただし針が飲まれるリスクが高いので早合わせを意識する。慣れるまでは5号くらいが使いやすいです
・ハリスはポリエステルラインの0.5~0.8号が感度が高く、使ってて撚れないので使いやすい
ハゼは結構餌を強引に引っ張ったり、餌を咥えて回転したりするのでナイロンだと使ってるうちにヨレヨレになってしまいます。またナイロンはコシがないので特に胴付き仕掛けでは道糸に絡まりやすいです
ハリスは何種類か購入して試してみましたが胴付き仕掛けの場合は特にホンテロンやトヨフロンがコシがあってオススメです。食いが渋い時はホンテロンが同じ号数でもトヨフロンがより柔らかいため餌の動きが自然になる(気がする)
上記2点の理由からポリエステル0.5号のハリスがついた袖針3号が欲しいのですが市販品では見かけないので自分で結びます。最初は頑張って内掛け結びをチマチマとしていたのですが、針が小さくて苦労するので思い切って自動ハリス結び機を買いました。仕組みは単純ですが好きな針に好きなハリスをつけられるのでなかなか便利です。
・餌はボイルホタテが強い
魚からどう見えるか分かりませんが、ホタテは色が白くて目立つのと、香りが強いのでハゼに対するアピールが高い気がします。また繊維が細かいので多めにつけると水中でほぐれたりハゼが食いついたときにバラけて寄せ餌にもなります。水底が見えてるような透明度の時、見釣りをしやすいという利点もあります。
欠点はとにかくエサ持ちが悪くて、1、2投ごとにエサを付け替えることになるので、ここだけは好き嫌いが分かれると思います。ちなみに冷凍むきえびを使うとエサ持ちがよくて食いつきもそこそこいいですが寄せ餌としてはホタテには一歩及ばない感じです。
・食いが立ってる時はイソメのほうが手返しが良い
入れ食いになるような時合はイソメのほうがエサ持ちが良いので楽になります(この場合は塩イソメでも大丈夫です。)釣り上げたハゼが噛んでボロボロになったイソメはむしろ釣りやすくなる時もあるのでそのままにしてどんどん釣りましょう。ただボロいイソメには見向きもしないタイミングもあるので一筋縄ではいかないですね…僕は毎回ホタテと一緒に小さなジップロックに入れた塩イソメを1本しのばせていきました。キジも悪くないそうです
・ハゼはある程度群れる魚なので、釣れない時は場所に固執しないで即移動
ハゼが居る場所に餌を落とせば必ず反応があります。反応がない時は素直に移動しましょう…他の釣り人を見ていると釣れてない人ほど一箇所に留まる傾向がある気がしました
・道糸は風がない時ならば感度の高い細めのPEラインを使いたいところですが、この釣り場は場所によってスカイツリーのビル風があるのでナイロンかフロロのほうが安牌かもしれません。エステルラインは試してないので分かりません…
・状況に合わせて釣り方を変えるよりミャク釣りかシモリ仕掛けかなど一つに絞って勘を磨くのがオススメのような気がします。
といったところでしょうか…
とはいえ、ハゼは基本的に糸と針と餌さえあればどんな仕掛けでも道具でも簡単に釣れる魚ですから
道具は手返しをよくするためだったり、ストレスフリーにするためにこだわる程度でいいと思います
僕の場合はそれが針とハリスへのこだわりになったという感じです…なかなか高い勉強代でした
実際に釣り場に行くと、皆同じ魚を狙っているのに釣り人ごとに全く違う仕掛けを使っていて、ハゼ釣りの奥深さや釣り魚としてのハゼの愛され具合を感じます。
(一人一人にその仕掛けに至った理由を聞いてみたくなります(笑)
根掛かりした仕掛けを釣った時などまじまじとその仕掛けを見つめて利点を考えてしまいます
最後に、北十間川の川沿いの歩道は釣り人や観光客だけでなく地元の方もウォーキングや犬の散歩などで利用しているため可能な限り汚さないように、竿を動かす時は特に慎重に、仕掛けを歩道に落としたり、ゴミを残したりしないように注意が必要だと感じました。
また、場所柄お子様連れの観光客も多いのでお魚を見せてあげると喜ばれます。わりと釣り人以外の方に話しかけられることの多い釣り場であるというのは留意しておいたほうが良いと思います。
※ちなみに外国人旅行者にも結構話しかけられます…マハゼは英語でYellowfin Gobyです
せっかくの良い釣り場なので近隣の方々とうまくお付き合いをして末永く釣りができるようにしたいですね
来年もよろしくおねがいしますハゼ師匠! |
肝心の料理…
ここのハゼは最大で15cmくらいなので天ぷらではなく唐揚げや竜田揚げとお正月の甘露煮用にお腹だけ抜いて乾燥保存しています
ハゼは特徴として身に匂いが付きにくいのでしっかり鱗を落としてヒレも綺麗に洗えば泥臭さもなく美味しくいただけます
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